京都清宗根付館(京都市中京区壬生賀陽御所町、TEL 075-802-7000)で7月1日から、夏の一般公開「阿部裕幸(ゆうこう)展」が始まる。
2007年11月に日本初の根付専門美術館としてオープンした同館。京都市指定有形文化財「旧神先家住宅」を修復し、春・夏・秋・冬の年4回一般公開を行っている。
今回の一般公開では、阿部裕幸さんの作品を集めた展示を行う。書や篆刻(てんこく)の作家として創作活動を展開していた阿部さんは、印章の上部の飾り「鈕(ちゅう)」の研究で根付と出会い、1993年から根付制作を開始した。現在では、篆刻根付と称して活躍している。
根付は江戸時代、印籠や煙草(たばこ)入れなどの「提げ物」を携帯する際に、その紛失や盗難を防ぐ必要から発明されたもの。「根付と聞いて古典的なイメージをお持ちの方もいるが、阿部さんの作品はしゃれを利かせたユニークな作品ばかり。しゃちほこにしがみついた猫の『大捕物』や、てるてる坊主を傘にして雨やどりをするうさぎの親子など独自のストーリーが展開し、遊び心がいっぱい。初めて根付をご覧になる方にも楽しめる内容」と同館広報担当者。
開館時間は10時~17時。入館料は、一般=1,200円、中・高生=600円。7月31日まで。