林業に興味を持ち、活動を行っている「林業女子会@京都」が2月、フリーペーパー「fg」を創刊した。
「林業女子会@京都」は主に京都の学生と社会人約30人で成る団体で、現在はフリーペーパーの発行、林業体験イベントの開催、北山杉の家具開発を活動の柱にしている。代表の岩井有加さんは京都大学大学院で農学研究科森林科学を専攻し、「山仕事サークル杉良太郎(すぎよしたろう)」「NPO法人 京都・森と住まい百年の会」にも参加している。森林について学びたいと思ったきっかけは、「水と川が生まれるところである山と森への関心から環境問題に興味を持ったから」だという。
昨年春、岩井さんがツイッターで「林業を好きな女子『林業女子』がブームになったらいいな」とつぶやいたところ、賛同の声が集まり「林業女子会@京都」が動き始めた。林業に関わるサークルや実際に森林組合で働いている人、まきストーブの燃料ペレットを扱うショップのオーナー、木の家に住む人など「林業」をキーワードに自然に集まった人たちは、日常はそれぞれのフィールドで活動し、イベントやフリーペーパーの制作の時に「林業女子会@京都」になる。
フリーペーパーは昨年12月の発行を目標に夏から作業を始めたが、実際に発行できたのは今年2月だった。京都の写真家・甲斐扶佐義さんによるイメージ写真、現場系林業女子インタビュー、林業女子的バレンタインデーの特集、プロジェクト紹介など女子目線で切り取られた林業と木に関わる生活のプレゼンテーションで紙面を構成する。
「日々の生活の中で、木でできた椅子や机その他の製品を取り入れたいと思うのは、家の暮らしを作っている女性たちが多い。女性の発想と行動力で山を使い、使い方を提案した結果、山が豊かになり、都会にもさまざまな森林から得られる資源や材料が供給されることになる」と岩井さん。「私は日本の木が好き。森は人が手を入れて守るもので、日本の多くの山はそうして維持されてきた。山の手入れがされるためには、山で生きる人の生活が成り立つことが重要。人を大事にしないと環境も守られない、山で遊ぶだけではなく、自立した生活の場になれば」とも。
「一度作ってみていろいろわかったので、次は順調にできると思うとほほ笑む岩井さん。「fg」の第2号は5月の発行を目指す。