女人厄除け祈とうなどで知られる市比賣(いちひめ)神社(京都市下京区河原町通五条下ル)で3月3日、「ひいなまつり」が行われた。
5人の女神をまつることから女人守護の神社として知られる同神社。同祭は神社に伝わる桃の節句の厄除けの行事で、30年ほど前から一般公開して行われるようになった。
同祭の「ひいな遊び」では実際の人が「人ひな」となり人形を実演する。この日14時からお内裏さまとおひなさまの衣紋(着付け)から公開で行われた。衣紋の解説とともに2人がかりで束帯(そくたい)や、鮮やかな萌黄(もえぎ)や紅の装束を重ねた十二単(ひとえ)姿に変身。御髪(おぐし)も含め約20キロの装束をまとった女性は感想を聞かれ、「いっぱい着ていて暑くなってきました」と思わず本音を漏らす一幕も。
2人は長い装束や重さに苦労しながらひな壇に上ると、三人官女と五人ばやしが登場。五人ばやしにより雅楽が演奏され、三人官女が「官女の舞」を披露した。その後おひなさまとお内裏さまはひな人形の原型といわれる天児(あまがつ)を使う「天児の儀」を行い厄をはらった。