稲盛財団(京都市下京区烏丸通四条下ル)が主催する「第26回京都賞」の授賞式が11月10日、国立京都国際会議場(左京区宝ヶ池)で開催された。
京都賞は、「科学・文明の発展や人類の精神的深化・高揚に貢献した方々の功績をたたえる」国際賞。今年は「先端技術部門」に人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作り出すことに成功した京都大学教授の山中伸弥博士、「基礎科学部門」にエトヴェシュ・ロラーンド大学教授でハンガリー出身のラースロー・ロヴァース博士、「思想・芸術部門」に美術家で南アフリカのウィリアム・ケントリッジ氏の3名。南アフリカ出身者の受賞はこれが初めてとなる。
受賞者あいさつで山中伸弥博士は「医者になってすぐのころ、闘病中の父に点滴などをした時、父はとてもうれしそうだった。だから、父が亡くなった直後に研究者の道を選んだことについてきっと父は『試験管を振るより患者を診ろ』と思っているはず。京都賞の受賞を励みに、iPS細胞の研究で患者さんの役に立てるよう研究を進めたい。そしていつか父に会ったときに褒めてもらえるよう頑張りたい」とこれからの意気込みを語った。
11日には各受賞者による記念講演会が行われ、 12日は国立京都国際会館にてワークショップ、13日から16日にかけて各受賞者から若い世代に向けた特別講義や学生フォーラム、キッズイベントが開催される。