
提供:京都医塾 編集:烏丸経済新聞
京都で医学部専門の予備校を運営する「京都医塾」(京都市中京区山伏山町)の「医学部入試合同説明会」が9月14日(日)、四条烏丸の「京都経済センター」(京都市下京区)で行われた。
本稿では、リアルとオフラインで過去最大となるのべ882人が参加したイベントの様子を紹介する。
2会場に分かれて行われた医学部 大学説明会では、地元京都の京都府立医科大学をはじめ、公立・私立大学、全14校の担当者が登壇(一部オンラインもあり)。大学の特色や強み、提携病院や研修施設、進級率や国試の合格率等を説明したほか、推薦などの入試の種類や地域枠や特別枠といった制度を紹介。説明会はオンラインでも参加でき、質疑応答の時間も設けられた。

説明会と平行して大学の担当者に個別に質問ができる医学部 個別相談会も実施され、大学のカリキュラムや部活についてや「面接ではどういったことを見ているのか」「面接対策はどういったことをすればいいのか」といった質問が寄せられた。
イベントの最後に行われたのが京都医塾の元塾生で、現在、北里大学4年生の「とんよー」君こと池田さんと清家塾長の対談。受験生や保護者に向けて医学部受験の疑問に答えたり、アドバイスを行ったりした。

OB訪問などで会う機会はあったというものの、とんよー君と清家塾長がじっくりと話すのは4年ぶりだという。とんよー君の印象の変化を聞くと「受験時はやはり挫折を経験してつらそうでしたが、今は医学部生活も満喫していて、楽しそうですね。学業と両立しながら、受験生や医学生の役に立ちたいという想いでYouTubeでの情報発信をされていて、感心しています」と清家塾長は笑みを深くした。
対談は事前に募集して届いた質問に答える形式で進行。掛け合いは軽口を交え、しかし、生徒や保護者からの質問にはとんよーさんは自身の経験を思い出しながら真剣に答えていた。
対談の最後には書籍出版に関するお知らせも行われた
プロフィール

北里大学医学部4年生
YouTubeチャンネル「医大生とんよー」主宰
https://www.youtube.com/@idaisei-tonyo/videos
医師家庭に育ち、小学生の頃から医師を志望。現役時代は、指定校推薦で医学部を目指すも不合格。浪人1年目では地元の予備校に通ったものの不本意な結果で終わる。2年目は塾選びから再出発。
京都医塾で合格した先輩を知っていたので、京都医塾の「1泊2日医学部合格診断ツアー」へ。そこで受けた体験授業に感動。また、分析結果や弱点克服のアドバイスに納得ができたことから、その日のうちに入塾を決意。
入塾後の成績は上昇。第一志望の北里大学のほか、聖マリアンナ医科大学、藤田医科大学、川崎医科大学、杏林大学、岩手医科大学の全6校に合格した。
現在はYouTubeチャンネル「医大生とんよー」で自身の医学部受験の経験や医学部生活を紹介するほか、YouTubeチャンネル「医学生道場」にも出演。
開業医である父と将来について話し合っているそうで「整形外科の軸を持ちつつも、様々な疾患に対応できる医師」を目標に医学部の勉強に励んでいる。

京都医塾 塾長
京都府出身。洛星中学校・高等学校を卒業後、浪人し、東京大学理科Ⅰ類に合格。
大学院在籍時に信州大学医学部を受験し、合格。
同大学卒業後、塾講師としての道を歩み、現在は医学部専門予備校京都医塾で塾長を務める。
とんよー君いわく「京都の松岡修造」。毎日、熱い気持ちで生徒たちに全力で向き合っている。
とんよー君の成績の偏差値のグラフが投影された。
京都医塾塾入塾時から入試直前までの推移が記録されている。
京都医塾実力テストおよび河合塾全統模試、北里大学の当時のボーダー偏差値より作成した成績推移グラフ
清家:入塾時に受けた回答の分析結果から、とんよー君の場合、秋の最終模試は63で、最終的にギリギリ65に達するだろうと予測を立てました。この推移見ると順風満帆で何も迷いなく、見事、1年で合格してくれたように見えますが?
とんよー:実はいろんなことがありました
清家:これは時間が許す限り深掘りしていきたいと思います。さて、それでは受験生と保護者の相談を受けていきましょう。
Q:医学部に行って良かったですか?
清家:医学部は入学してから大変だと聞きますが、受験とどちらが大変ですか?
とんよー:結論として医学部に入って本当に良かったです。勉強は入学後の方が大変なことも多いかなというのがリアルです。
清家:でも、入ってからの方が楽しい?
とんよー:間違いなく楽しいです。
清家:勉強は受験時より大変なのに楽しいというのは、何が違うんですか?
とんよー:受験の時は個人競技というか。どうしても一人一人の勝負になると思うんですけど、大学は皆で乗り越えるという精神が強くて「団体戦感」があるので、とても楽しいです。
清家:1人で医学部の膨大な勉強をカバーできないから6人ぐらいで分担して勉強会をする。『医学部あるある』ですね。
とんよー:僕は北里大学に正規合格で入ったので、余裕かな?と思っていたら、いざ前期の成績が出ると130人中118番だったんですよ。もうビリです。ほぼ(笑)。
清家:ちょっと危ないラインですね。
とんよー:1年の後期、このままじゃまずいと思って、そこから何が悪かったのかなと考えて。京都医塾でやってきたことをおろそかにしていたのがあるかなと。例えば自分はミスが多くて悩んでいたんですけど、塾長から教えてもらった指さし法をやるようにしたんです。
清家:転記ミスとか条件の見落としは目で追っているからミスするんだと言いましたね。指で押さえてミスを防ぐ。
とんよー:他にも、分からないことをまとめた紙を壁に貼ったり。受験時にやっていたことを医学部での勉強の中でもやっていったら次の成績では83番になり、その次が13位。3年の総まとめの試験では首席になりました。受験勉強の仕方が大学にも生きてきたなと思っています。
京都医塾のブース内にわからない箇所をまとめた紙を貼る
清家:前に医学部受験と医学部の勉強は内容が違うと言っていたけど
とんよー:医学部に入ってから暗記量がめちゃくちゃ増えるんですよ。そうなると、どんな進学校の人でも精神的な強さと根気がないと挫折してしまう。
清家:単純暗記の量も多いからね。全部が理屈で説明できる部分だけではないから。
とんよー:京都医塾では毎日14時間やっていましたから。
清家:膨大な暗記・勉強をこなす「勉強体力」がついたっていうことですね。
とんよー:そうですね。努力で成功したという自信がつきました。大学の勉強の中で、挫折を感じたり、つまずいてしまった時にもそれを思い出して、原動力として頑張ることができていますね。
Q:受験校はどのように決めましたか?
清家:9月は受験校の決定の時期で、今日の医学部入試合同説明会に参加していただいた中でも受験校を決めるヒントがあったと思います。とんよー君の場合は北里大学が第一志望でしたが、受験校はどう決めましたか?
とんよー:受験校を決めることは難しいですね。自分の運命を決めるようなものだと思います。
僕の場合、父親が北里大学の医学部出身で、実家が横浜なので(神奈川県にある)北里大学は第1志望にするのは現役の時から決めていました。
ただ、1浪の時は「数打てば当たる」方式で、10日連続本試験になるくらい闇雲に受けていたんですけど、2浪目で京都医塾に入ってからは受験校と自分の相性をまとめた「受験校決定シート」で、塾から「この大学が合っていますよ」と情報として絞ってくれていたので、それを参考にして決めましたね。
清家:とんよー君は「第1志望は譲れない」がしっかりと芯にあって、その中でどう併願していくかという戦略をしっかり相談してくれたのを覚えています。
とんよー:第1志望は本当に譲れなかったので、それをベースとして他のところは相性や日程を加味してどう受けるかという方針でした。
グータッチで受験生を送り出す清家塾長。「東京サポート」の一コマ。
Q:推薦入試は受けるべきですか?
清家:これもよくある質問ですね。とんよー君はこういう迷いはなかったですか?
とんよー:ありました。
現役の時に指定校推薦を受けたのですが不合格で、浪人することになってしまいました。じつは1浪目も早く受験を終えたいという気持ちから推薦入試を受けたんですが、ダメでした。
京都医塾に通っていた2浪目は、推薦入試を受けませんでした。それは順調に成績が伸びていたから、一般入試でもいけるんじゃないかという思いもあった。そして北里大学は(2浪で受けられる)推薦入試はないので、ここまで勉強してきて第一志望を外してまで受けるべきじゃないかなと思ったんです。
清家:この成績表通り順風満帆で1年を過ごせたということですか?
とんよー:まったくそんなことはなくて。9月の受験を決める前の模試の物理で手応えが良くなくて、塾に入って初めて泣いてしまったくらい、つらかった時期だったんです。「自分は医学部に行ける人間じゃないんだ」って。推薦入試も考えるべきじゃないかとも思っていました。
清家:これは初めて言うのですが、とんよーくんのお母さんから9月の上旬に「2浪で受けられる推薦ありますか?」と電話がありまして。お母さんの思いとしては、第一志望の夢をかなえてあげたい。一方で2年浪人を重ねているので(推薦で合格できる大学に)行かせてあげたい。どっちが正解なんですか、と切実な相談を受けたんです。
客観的なデータをお伝えし、物理の先生の「彼はちゃんと定義を元に考えられるようになっているし、論理的思考もできるようになっている。彼が落ち着いて勉強してくれればきちんと結果が出る」と言ったことを、そのまま伝えたんです。
その後に面談した時にはもう推薦入試を受けないことになった。
皆さまにとっては推薦入試はいらないのだということをお伝えしているのはなくて、とんよー君の場合は最終的には悩んだ結果、受けないという選択をされました。これは一人一人のそのステージや適正によって、受けるべきか変わりますので、ぜひ相談してください。
Q:成績が伸び悩んでモチベーションが下がっています。どう乗り越えたらいいですか?
清家:これも深刻な悩みですね。ちなみにさっきの物理の話、模試で弱点のミスが出て、こういう時やっぱりさっき「泣いてしまった」と言っていましたけど、そういう時にどうやって気持ちを切り替えたんですか?
とんよー:京都医塾で、その週に1回、担任の先生と勉強の進捗(しんちょく)やそれ以外のことでも面談をする「ウイークリーカウンセリング」があって。担任の先生に相談をして、カリキュラムを変えてもらって、個別指導の時間を増やしてもらったりもしました。
それとこの時期、体調を壊したんですよ。座りすぎで腰が座骨神経痛になって。尿も出なくなって泌尿器科に通っていました。
京都医塾の中で整体を受けられるのですが、この整体の回数を増やしてもらったり、昇降式の机を買って集団授業を後ろから先生と同じ目線で受けたりしました。合格の理由にはそういった細かいサポートがあったんじゃないかなと思います。
京都医塾には整体師が常駐し、受験生のメンテナンスを行っている
清家:座りすぎで腰が痛いという生徒さんは今もいて、とんよー君以降は立って勉強する人が増えました。座りっぱなしにならずに、勉強の時間を止めたくないということで、京都医塾のブースにある本棚の上にiPadを置いて勉強しています。
とんよー:いいですね。眠くもならないし。大学に入ってからも立ちながらや歩きながら勉強している人は多いです。集中力を高めたいとか、眠気が来ないようにとか。
とんよー:京都医塾時代も一人暮らしをしていたんですけど、帰った後に英単語の音読とか、声を出す勉強をすると決めていて、そのノルマが終わったときに絶対に休憩時間を15分から30分ぐらい取るようにしていました。
お風呂に入りながら、「はなおとでんがんチャンネル」とか、勉強のモチベーション上げてくれるようなYouTubeを見て「明日に向けて頑張ろう」とご褒美的に見ていました。
清家:それは今のYouTubeの活動にもつながっている?
とんよー:それは間違いないですね。
Q:苦手科目がなかなか克服できないのですけれども、どうしたらいいですか?
とんよー:自分の場合は京都医塾でその苦手なものをいろんな先生に相談する機会があったのでよかったです。
京都医塾では生徒1人に対して平均13人の講師が担当する
京都医塾に通うまでは質問に行くことを恥ずかしいと思っちゃうタイプで「今さらこういうこと聞くのも、逆に先生に申し訳ないな、自分のイメージを下げちゃうな」と思って、黙ってそのままにしちゃうことが多かった。
清家:とんよー君は高校のときに生徒会長で、部活も3年の最後までやって、良い意味でのプライドを持っていると思いました。ただ、僕たちがその医学部受験のプロフェッショナルとして色んなアドバイスをしたときに、「でもそれは」「それは分かってます」とならないかなと心配はありました。だから「恥をかけ」って言いました。
結構強い言葉なんですけど、「ここ分からないんです。教えてください」。めちゃくちゃ基礎的なことでも「分からないです」と言える人が勝っていけるよ、ということを伝えましたね。
とんよー:自己流になっちゃっていた部分も結構あったと思うんですけど、京都医塾に入ってからそのプライドを捨てて質問に行ってみると、先生たちが喜んで聞いてくれて。くだらない質問もいっぱいあったと思うんですけど、その中に結構大事なポイントとかも見つかったりして…。
清家:これは医学部受験の大事な肝のところで、その自分ではつまんないと思っている質問の中にも大事なことがある。大事かどうかは実は自分で分かってないんですよね。自分が分からないこと、ちょっと本当かなと思うことは塾に限らず学校でもいいですし、信頼できる先生に聞いてみてください。そうするとパッと活路が出てきます。
とんよー:物理の成績が途中からちゃんと上がって、合格レベルまで持ってけたのも、そういった恥を捨てて質問したっていうのが大きいと思うので、先生を使いまくってほしいですね。
Q:受験の時、友達は作るべきですか?
とんよー:京都医塾ではそんなに積極的に作ろうとはしていませんでした。物理のクラスで5人ぐらい、毎回同じ人がいて自然に仲良くなって勉強を競い合ったりしていました。
清家:遊びに行ったりしましたか?
とんよー:コロナ禍で外に出られなかったのもありますけど。それはゼロですね。日曜日に家で自習な可能な日も、誰が一番塾に早く来るか競って、塾に着いてからまずその子のブースを見て「自分が一番乗りだな」と確認したりして。
清家:よきライバルということですね。お互いに勉強の仕方を盗んで、もっと勉強してやる、いい関係でしたね。
とんよー:刺激になるような友達の中で頑張れるのがいいのかなと思います。
Q:親にどういうサポートをしてほしかったですか?
清家:保護者の方からの質問ですね。とんよーさんは親御さんに何の不満もないかもしれないですが、強いて言うならどんなサポートしてもらえたら良かったなと思いますか?
とんよー:1浪目の時は自宅から予備校に通っていたこともあり、例えば自分は本当に頑張っているけど、成績が思うように出ないとき「ちゃんとやってんの?」と言われて、喧嘩になることが結構あったんです。唯一の味方であるはずの親と衝突しちゃっているし、成績もうまく伸びないし、どうしようみたいな気持ちがありました。
清家:それはネガティブなスパイラルに入っているね。
とんよー:京都医塾に来てよかったのが親といい距離ができたこと。京都に引っ越して 1人暮らしだったので、物理的に距離ができたこともあって喧嘩の回数は減りました。

保護者の皆様にお伝えしたいのは、一番辛いのは本人なので「勉強してないの」とかネガティブな言葉をかけるのではなくて、寄り添ってあげるような「塾に何か不安なことあったら言おうか」とか、提案ベースの発言をしていただけるとうまく関係ができると思います。お子さんを心配する気持ちはわかりますが、成績についての心配は塾の先生に言って、お子さんには直接言わず、守ってあげるような発言をしていただけると嬉しいです。
清家:私も保護者の方に「大丈夫なの」と不安そうに聞かないでください。大丈夫かどうかは置いといて「頑張っているね」って言ってあげてくださいとお願いしています。なぜ伸びないのか聞きたければ、僕らに聞いてくださいと言っています。
一番の味方はお父さんやお母さんと信じているので、だから聞かないでほしいんやね。
とんよー:そうですね。
清家:だから信じてってことですね。
Q:応援メッセージをください
清家:全国の医学受験生に向けて元気が出るメッセージをお願いします。
とんよー:大学に入ってから友達との会話の中で冗談半分だと思うんですけど「もうちょっと早く医学部に入れた」みたいな会話があるんですよ。でもこれに自分は共感できなくて。
清家:2年必要だったってことですか?
とんよー:受験時代に本気でやれてなかったから、そういう発言が出ちゃうのかなと思っていて。受験生の皆さんには本当に今の時期は絶対に無駄ではないし、大学に入ってからも苦労した経験が糧になっていろんな困難にも乗り越えることができるので、今を後悔なく全力で取り組んでほしいなと思います。
清家:頑張っていますよ。でもうまくいかないんですよ、という人もいると思いますが、どうですか?
とんよー:先ほど言ったように恥を捨てて、先生を信じてアドバイスを聞いて勉強するのがメンタル的に変わって成功したポイントだと思います。
2026年1月に書籍発売!
『(仮)どん底だった僕が医学部で首席をとるまで』
今回登壇してくれたとんよー君こと池田君の高校時代から浪人生活、医学部進学後の軌跡を辿る書籍が発売されます。出版されたら、ぜひ受験勉強や受験校選びの参考にしていただければと思っています。
今日お話ししたような内容も掲載されていますので、医学部合格に向けて頑張っている受験生や保護者の皆さまのお役に立てていただけますと幸いです。
対談の終了後に「朝にどうしても起きられなくて」と悩みを打ち明けた受験生にとんよー君が「朝、つらいよな」と共感を示しつつ「睡眠時間は何時間?」「アラームはいくつかけてる?」と解決方法を一緒に探ろうとしている姿が印象的でした。
受験生にアドバイスするとんよー君