京都橘大学(京都市山科区、学長:岡田 知弘)では、2026年度の本学客員教授に石黒浩氏・三宅陽一郎氏・稲見昌彦氏・松原健二氏の就任が決定しました。最先端のAI・ロボティクスや拡がりつづけるデジタルメディアの分野からトップランナーが結集し、研究と産業の最前線について、学生にむけて講義を行っていただきます。

工学部には、【ロボット工学の第一人者、石黒浩氏(大阪大学大学院基礎工学研究科 教授)】が客員教授に就任します。人口減少による労働力不足が社会課題だとされる中、人とロボットが共生し、労働生産性を向上させることが求められています。石黒氏が実現を目指す「アバター共生社会」は、人間が遠隔操作で動かすアバターにより、あらゆる社会活動に誰もが参加できる社会です。
デジタルメディア学部には、【ゲームAIの第一人者、三宅陽一郎氏(東京大学 生産技術研究所 特任教授)】、【人機一体により人間の能力拡張に挑む、稲見昌彦氏(東京大学 先端科学技術研究センター 教授)】、【日本のゲーム業界をリードする経営者、松原健二氏(株式会社ロングフェロー 代表取締役社長)】が客員教授に就任します。現実世界のあらゆるものを仮想空間に再現する、デジタルツインやメタバースが次世代の社会基盤として注目されており、デジタル人材の確保が急務とされています。三宅氏は、ゲームが人間に合わせて難易度を変えることで没入感を醸成、ゲーム体験の向上を目指してゲームAIの開発・研究に取り組まれています。また、ゲームAIの技術を現実空間に実装することで、空間そのものをAI化する技術の実現を目指しています。稲見氏は人と機械が「人機一体」となることで人間の能力の拡張を目指し、これまでに透明マントや第3・第4の腕を開発されてきました。松原氏はゲーム業界を経営的な立場から牽引され、グローバルな視点で日本のコンテンツ産業を世界に発信してこられました。先端研究から実社会でのプロジェクトまで、多彩な客員教員陣の講義を通じて、創造力と技術力を兼ね備えた社会に求められるデジタル時代の人材を育成します。
●石黒 浩(いしぐろ・ひろし)氏
【大阪大学大学院基礎工学研究科 教授】
博士(工学)。1963年、滋賀県生まれ。
1991年:大阪大学大学院基礎工学研究科博士課程修了
2009年:大阪大学基礎工学研究科システム創成専攻教授
ATR石黒浩特別研究所客員所長(ATRフェロー)
●専門
ロボット学、アンドロイドサイエンス、センサネットワーク等
●研究概要
知能ロボットと知覚情報基盤の研究開発を行い、次世代の情報・ロボット基盤の実現を目指す。遠隔操作型アンドロイドの「ジェミノイド」や、自立対話型アンドロイド「エリカ」などをこれまで開発。こうしたロボット研究を通じて、人間とは何か、生きるということはどういうことかを追究する。内閣府ムーンショット型研究開発制度では「誰もが自在に活躍できるアバター共生社会の実現」のプロジェクトマネージャーを務める。2025年大阪・関西万博では、シグネチャーパビリオン「いのちの未来」をプロデュース。
●三宅 陽一郎(みやけ・よういちろう)氏
【東京大学生産技術研究所 特任教授】
博士(工学、東京大学)。1975年、兵庫県生まれ。
2004年:東京大学工学系研究科博士課程(単位取得満期退学)
●専門
デジタルゲーム/スマートシティ/メタバースの人工知能/AI空間学
●研究概要
デジタルゲームにおいて、ゲーム全体を統括する「メタAI」、キャラクターの頭脳にあたる「キャラクターAI」、空間そのものを解析する「スパーシャルAI(空間知能)」の3つから構成されるゲームAIの開発・研究に取り組む。AIによりプレーヤーの心理を推測しながらゲーム全体を監視し、ゲームが人間に合わせて難易度を変えることで没入感の醸成、ゲーム体験の向上をめざす。また、デジタルゲームで培ったAI技術を現実空間に実装し、物理空間とデジタル空間を空間知能でつなぐ研究を推進する。
●稲見 昌彦(いなみ・まさひこ)氏
【東京大学 総長特任補佐・先端科学技術研究センター 副所長 / 教授/お茶の水女子大学 基幹研究院自然科学系 教授 /慶應義塾大学 大学院メディアデザイン研究科 客員教授】
博士(工学)。1972年、東京生まれ。
1999年:東京大学大学院工学系研究科博士後期課程修了
2016年:東京大学先端科学技術研究センター教授
2023年:お茶の水女子大学基幹研究院自然科学系教授
●専門
身体情報学、人間拡張工学、バーチャルリアリティ、拡張現実感
●研究概要
物理世界とバーチャル空間が共存する高度情報化社会にふさわしい身体像として、「自在化身体」を追究する。ウェアラブル技術、ロボット技術、バーチャルリアリティなどを駆使した人間拡張および自在化技術の研究開発、社会実装に取り組む。これまでに、SF映画「攻殻機動隊」をヒントに考案した「透明マント」や、「第3、第4の腕」などユニークなデバイスを多数開発。『JST ERATO 稲見自在化身体プロジェクト』では、リュックのように背中に背負える人機一体のロボットアームユニット「自在肢(JIZAI ARMS)」を発表。
●松原 健二(まつばら・けんじ)氏
【株式会社ロングフェロー 代表取締役社長】
東京大学大学院情報工学修士。1962年、東京都生まれ。
1986年:東京大学大学院 情報工学専門課程(修士)修了
1997年:米国マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院 MBA修了
●活動概要
コーエー(現コーエーテクモゲームス)で黎明期のオンラインゲームを開発。同社の代表取締役社長に就任しテクモとの経営統合を実施。その後ジンガジャパン、セガゲームス(現セガ)、SNKで社長を務める。国内および海外においてゲームソフトの開発、マーケティング、販売に携わり、上場企業を含む数々の企業経営を通じてゲーム業界を牽引。また、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)の理事として長く開発者育成に取り組み、ゲーム開発者カンファレンスCEDECの発展を推進した実績を持つ。

このたび、工学部およびデジタルメディア学部に多彩な客員教員陣をお迎えできることを大変光栄に思います。
2026年4月、本学に工学部ロボティクス学科とデジタルメディア学部が新たに誕生します。ロボティクス学科では、機械の仕組みを理解するための機械工学に加え、機械・ロボットを作り、動かし、人間との共生を考えながら新しい社会を創造するための幅広い知識・技術を学びます。デジタルメディア学部では、創造力(クリエイション)と技術力(エンジニアリング)を身につけ、デジタル技術を駆使して多様な未来をつくる担い手を育成します。
フィジカルAIやデジタルツイン、メタバースなど最先端の技術が注目されるなか、AI・ロボティクスや、拡がりつづけるデジタルメディアの分野を切り拓くトップランナーの先生方とともに、京都橘大学は社会構造の変化を見据え、前例にとらわれない学びを創り上げていきます。
「未来のロボットを考えたい」、「面白いデジタルコンテンツをつくってみたい」など、こうした思いを持つデジタルネイティブ世代のみなさんと学べることを私たちもとても楽しみにしています。知的好奇心を活かしてものづくりができる学習環境、様々なチャレンジができる学びのフィールドを創り続け、学生が自分なりの問いと表現を見つけられる場を築いていきます。
本学の工学部、デジタルメディア学部が切り拓く新しい時代の教育・研究、ものづくりの次世代を担う人材育成にぜひご期待ください。
1.デジタルメディア学部デジタルメディア学科
入学定員:100名(通学課程)、180名(通信教育課程)取得学位:学士(工学)
教育の特色:
日本が誇るゲームやアニメ・音楽といったメディアコンテンツを支えるクリエイション技術と、これからますます活用されていく画像・映像・音声の自動認識やVRといったメディアエンジニアリング技術の双方を学ぶことで、デジタル時代のクリエイターやITエンジニアを養成します。ビジュアルエンジニアリング、サウンドエンジニアリング&クリエイション、ゲームクリエイション、ビジュアルクリエイションの4つのモデルコースを設けています。
2.工学部ロボティクス学科
入学定員:80名 取得学位:学士(工学)
教育の特色:
先端AI技術から機械系、情報系まで、社会で活躍できる知識と技術を基礎から体系的に学びます。カリキュラムは、機械、AI・情報、電気電子、計測・制御などロボティクスに関わる分野をバランスよく配置しており、様々な分野の知見を統合するロボティクスの醍醐味を体感できます。各分野のなかでもAI分野や人とロボットの関わり合いに着目した科目を充実させ、この分野での著名な教員から先端的で実践的なロボティクスを学ぶことができます。