リリース発行企業:学校法人真宗大谷学園 大谷大学
大谷大学(所在:京都市北区 学長:一楽 真)は、2025年10月11日(土)~11月29日(土)の期間、大谷大学博物館2025年度特別展『物語を伝える絵とことば』を開催します(会期中に展示替えあり)。
本展は、室町時代の絵巻、室町時代後期~江戸時代前期の奈良絵本、そして絵入り版本へと、“物語の表現の変化”を時系列で辿る構成です。貴族や寺院など限られた層に読まれていた物語が、やがて大衆へと開かれ、キャラクター中心の「推し」的な愛好が生まれていく、日本文化における「推し活の始まり」を実感いただけます。
当日は、大谷大学文学部文学科 佐藤愛弓教授より特別展開催に向けた想いや見どころをご説明するほか、博物館を内覧いただき、平安時代の「金蔵論」から江戸の版元、鱗形屋から出版された『いわやのさうし』、また全世界で大谷大学博物館にしか存在しない、“天下の孤本”と呼ばれる「よしつねあづまくだり物語」や「胡蝶」の奈良絵本など、物語表現の変遷を感じられる貴重な資料群をご鑑賞いただけます。
皆様のご来館を、お待ちしております。
「よしつねあづまくだり物語」
「胡蝶」
2025年度特別展「物語をつたえる絵とことば」ホームページ
https://www.otani.ac.jp/events/tokubetuten25.html
■「物語が広がるプロセスを史料から読み解き、日本文化における表現と受容の変化を明らかに」 大谷大学文学部文学科 佐藤 愛弓 教授 コメント
平安から江戸にかけての日本文学は、写本・絵巻・奈良絵本・版本といった多様な形態をとりながら、人々の間に受容されてきました。当初は一部の貴族や寺院に限られていた物語が、やがて写し伝えられ、絵や本として再解釈されることで大衆の手に届くようになります。 今回の展示では、《日吉山王神道記絵巻》のように海外所蔵本との関係が新たに確認された事例や、《義経あづまくだり物語》や《胡蝶》といった現存唯一の本など、文学史・書誌学の観点からも注目すべき資料を紹介します。 物語が社会の中でどのように伝播し、受容されていったのか。その過程を追うことで、登場人物に共感し、特定の存在を愛好する感覚――いわば今日につながる“推し活”の萌芽――を垣間見ることができるでしょう。