THE KYOTO Crowdfunding(運営:京都新聞社)は、公益財団法人京都市文化観光資源保護財団によるクラウドファンディングのプロジェクトを進めています。

京都の町では、季節を彩る三大祭や五山送り火、六斎念仏、念仏狂言、山村では松上げや火祭など、豊かな伝統行事・芸能が地域の方々に守られ、受け継がれてきました。しかし、近年の少子高齢社会の到来、文化継承の意識の変化、地域の過疎化から、次世代への継承が難しく、規模が縮小したり、やむを得ず中止したりする行事もあるという現状が続いています。
そうした状況を踏まえ、財団は昨年、初めてのクラウドファンディングに取り組み、多くの皆さまからいただいた温かいご支援を13団体への活動助成としました。
しかし、すべての団体に支援が届いてはいません。昨年に引き続き、後継者育成を行う保存会等への助成と広く皆さまに関心を寄せていただける機会にしたいと、今年もクラウドファンディングを実施します。
【寄付型】五山送り火・大念仏狂言・剣鉾・六斎念仏、そして三大祭-京都の伝統行事・芸能を次代に繋ぎたい
THE KYOTO Crowdfundingサイト
URL:https://the-kyoto.en-jine.com/projects/omatsuri2025
■京都市文化観光資源保護財団について
京都市文化観光資源保護財団は、1969年の設立以降、一貫して地域の中で大切にされている有形・無形の文化財の保護・普及活動に携わってきました。普段は、全国の法人・個人から寄付を募り、その資金で、葵祭や祇園祭・時代祭・五山送り火といった四大行事にかかる費用や、寺社の修理、地域の伝統行事・芸能にかかる費用・道具修理に対し、助成を行っています。
■現状:厳しい後継者育成
京都市では国、京都府、京都市に指定・登録されている無形民俗文化財、重要無形民俗文化財が60を超え、その保存団体(活動中止を含む保存会や講中)が80以上存在して、各々活動しています。
伝統行事・芸能の技術の習得には時間と手間がかかります。例えば衣装の着方や演技の所作、そして舞台や行事の準備に至るまで、地域に根付いて毎年積み上げるものであり、一度途切れると復活には大きな労力がかかってしまいます。
例えば、京都市左京区の北部、久多地区に「久多花笠踊」というユネスコ無形文化遺産に登録されている風流踊があります。8月24日夜に行われるこの踊りには、花笠と呼ばれる灯篭を用います。すべて久多の男性の手作りで、繊細な造花と切り絵が特徴です。踊る際には室町小唄の流れを汲む歌を歌います。

久多には70人ほどが暮らしていますが、取材時には中学生以下は1人しかおらず、花笠踊を継承している久多花笠踊保存会のメンバーも50代以上の方ばかりです。前会長の河原氏は「年に1回だけの久多のきずななので、若い人に続けていってほしい」と語っておられます。久多出身の人々がこの花笠踊の時だけでも戻ってきて続けてほしいと願っておられます。
人材の確保だけにとどまらず、衣装や道具の新調・修理、あるいは松明用の材料調達といった部分においても業者の廃業や山林の荒廃によって入手が困難になり、結果としてコストがかさんでしまう事態も起こっています。
国や市の指定文化財であっても、その保存と継承は、日頃仕事や家庭を持つ保存会の皆さんの無償の活動に支えられています。ひとつひとつの保存会は規模も小さく、資金集めもままなりません。後継者育成がうまくいっている保存会もありますが、そのノウハウが共有できていないことが現状です。
このままでは、長らく守られてきた伝統行事・芸能が途絶えてしまいます。
このクラウドファンディングをきっかけに、多くの人にさまざまな課題を知ってもらい、解決策をともに考えていきたいと願っています。
後継者育成は、地味で時間のかかる事業です。まずは、伝統行事や芸能を見てみたい、体験したいというファンを増やしたいと思います。
■期間と目標
実施期間:2025年7月17日(木)00:00~2025年10月14日(火)23:59
目標金額:2,000,000円
■注目のリターン
嵯峨大念佛狂言・狂言堂バックヤードツアーペア招待(2026年2月7日)

京都市の西、嵯峨釈迦堂の名で親しまれる古刹「清凉寺」の境内にある狂言堂で執り行われる「嵯峨大念仏狂言」は、国の重要無形文化財に指定されている民俗芸能です。面をつけた演者が台詞なく身振り手振りだけで状況を表現する芝居に大きな特徴があります。普段は演者しか入ることができない狂言堂のバックヤードをご覧いただき、狂言舞台に立ち所作体験や、狂言で使用する面の面付け体験をしてもらいます。終了後は境内のカフェで昼食をとっていただきます。
上賀茂神社足汰式見学会 ご招待(2026年5月1日)

毎年5月1日に行われる足汰式(あしぞろえしき)は上賀茂神社で5月5日にある賀茂競馬(かもくらべうま)の組み合わせを決める行事です。乗尻(のりじり・騎手のこと)の馬上の姿勢や鞭の差し方、そして出走する馬を一頭ずつ走らせて馬のよしあしを見極めます。当日、馬場の脇に参加の皆さまだけのブロックを用意し、座ってご覧いただきます。さらに、賀茂競馬特製の「賀茂競馬の栞」を今回特別にいただけることになりました。
火の伝統行事セット

京都では夏から秋にかけて火の行事が各地で行われます。8月16日に行われる京都五山の送り火の消し炭と8月24日に洛北の広河原で行われる松上げに使用される松明の手作りのミニチュア、そして10月22日に行われる鞍馬の火祭の際に使用される手作りのミニチュア手松明のセットです。
その他のリターンや詳しい内容はクラウドファンディングサイトをご確認ください。
THE KYOTO Crowdfunding について
THE KYOTO Crowdfundingは、株式会社京都新聞社が運営しています。
運営団体 :株式会社京都新聞社
責任者 :代表取締役社長 大西祐資
所在地 :京都市中京区烏丸通夷川上ル 京都新聞社
電話 :075-241-6185
メール :thekyoto@mb.kyoto-np.co.jp