リリース発行企業:株式会社坂ノ途中
株式会社坂ノ途中(本社:京都市、代表取締役:小野 邦彦)の海ノ向こうコーヒー事業部は、2025年8月1日、パプアニューギニア独立国・タイ王国・インドネシア共和国における、コーヒーサプライチェーンの脱炭素化のためのGXモデル構築調査事業が、経済産業省の令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)に採択されたことをお知らせします。
この度、採択された事業は、3か国における、コーヒー栽培から輸送までの生産国におけるサプライチェーン全体の環境負荷を可視化し、温室効果ガスの排出削減と生産地での所得確保の両立を実現するGXモデルの構築を目的としています。
*令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)特設HP
https://gs-hojo-web-fspoc.jp/index.html
(左:パプアニューギニアの生産者、右:株式会社坂ノ途中 海ノ向こうコーヒー 事業開発責任者 山本)
海ノ向こうコーヒーは、東南アジアを中心に、日陰を好むコーヒーの特性を生かして森を守りながら農作物を育てる「アグロフォレストリー」を推進してきました。産地での栽培サポートから、輸送、販売にまで携わり、現地で暮らす人々の雇用確保も含めた持続可能なサプライチェーンの構築に取り組んでいます。
その一環として実施する今回の調査では、LCA(ライフサイクルアセスメント)分析*1を行うことで、生産、加工、輸送の各工程で排出されるCO2量を可視化し、排出要因を特定。実地調査で資材利用や廃棄物処理の方法、エネルギー消費の実態を把握し、コーヒーサプライチェーンのどの過程で、どのようなGXモデル*2が必要とされるのかを明らかにします。さらに、アグロフォレストリーに加え、有機肥料の活用やバイオ炭の施用、コーヒー残渣の再利用など、環境負荷を低減する技術的施策を検討し、パイロット実証を進めていきます。
こうした調査を通じて実現可能なGXモデルを構築し、将来的な他のコーヒー生産地域への展開も見据えています。2025年12月にはEUDR(欧州森林破壊防止規則)*3が適用開始となるなど、森林破壊や生物多様性の損失への国際的な関心が高まる中、栽培から輸送までの各工程の最適化を図ることで、持続可能なコーヒー生産の実現を目指します。
*1 ライフサイクルアセスメント分析。製品やサービスの原材料の調達から廃棄やリサイクルに至るまでの各工程における環境負荷を定量的に評価する分析方法。
*2 グリーントランスフォーメーションモデル。エネルギーの転換やビジネスモデルの刷新、消費行動の変化を通じて持続可能な社会と経済活動の両立を図る取り組み。具体的には、再生可能エネルギーへのシフト、カーボンニュートラルの実現、エネルギー効率化技術の導入などが含まれる。
*3 森林減少防止を目的として、EU域内で流通する特定の品目に関し、当該品目の生産において森林減少を引き起こしていないことの確認(森林デューデリジェンス)等を義務化する規則。
農林水産省.(2024年).「EUの森林減少防止に関する規則への対応について」https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/EUDR.html
インドネシアのコーヒー産地にて
インドネシアのコーヒー産地にて