京都・寺町のギャラリー「BAMI gallery」（京都市下京区寺町通仏光寺下ル、TEL 075-585-8660）で現在、韓国人の陶芸作家・宋知宣（ソン・ジ・ソン）さんの個展「土の雨」が開催されている。

　宋さんは1978年韓国・ソウルに生まれ、ソウル産業大学・陶芸学科で陶芸を学び、さまざまな活動を経て2005年に来日。現在は京都市立芸術大学で陶芸を専攻している。日本の陶芸作家の考え方や、同大学がオブジェとしての陶芸作品だけではなく、素材である「土」自体を研究している点などに共感し同大学への留学を決意した。日本での個展は今回が初めて。

　同展では、宋さんが精力的に研究している、陶磁器がもつ「硬くて重い」という固定観念を覆す「土の雨」というテーマに沿った作品を展示している。糸に土をつけて焼き上げたたくさんの棒状の陶器作品を、同ギャラリーの天井からつるしてインスタレーション展示しており、中には重さから床に落ちて割れてしまう作品も。宋さんは「割れやすいのは悪いことではない。最初は全部つるされた状態だが、1カ月の展示期間中に地球の重力で落ちて砕ける。これも時間の流れ」と話す。

　「雨にはさまざまな思い出がある」という宋さんは「雨が降る中で、雨に打たれる赤土の地面から『土の雨』が降り注ぐイメージがわいた」と話す。「今後も『生』と『死』という大きなテーマの下、日常からの発想で作品を作っていきたい」とも。

　開催時間は11時～18時。11月22日・28日・29日は休み。入場無料。11月30日まで。