西陣の紋屋町路地(上京区大宮通り五辻西入ル)の三上家長屋の一角がローバー都市建築事務所(上京区堀川通今出川上ル東入、TEL 075-451-5777)の手によって生まれ変わる。
改修されるのは同長屋の一軒で、同建築事務所が今年3月に立ち上げる「紋屋町研究所」が2階に入居する。
西陣は言わずと知れた織物の町。紋屋町はその北西に位置し、町の名前は紋織の技法を発明した織屋がいたことに由来する。朝廷の織物に携わっていた織元のうち、かつて5家が紋屋町に存在したが、現存するのは三上家のみ。
現在、三上家の職人長屋には陶芸家やはちみつ専門店が入居し、映画やテレビドラマのロケ地としても使用される。主に外国人アーティストの宿泊施設となっていた、そのうちの一軒を同建築事務所が借り受け、「京都商工会議所ビジネス推進センター」の協力も受けて改修することになった。
改修の設計には、通りから町家の中庭が見えるようにするなど、現代風のアレンジも加えるという。同建築事務所代表の野村正樹さんは「和の真髄を研究し、紋屋町から町家再生の1つの事例として発信したい。京文化を見直すきっかにしてもらえれば」と話している。
改修工事は、1月下旬~2月末の予定。施工は、大本山大徳寺御用達、数寄屋建築で知られる山中工務店が手掛ける。