芸術系大学連合「CUMULUS(クムルス)」は3月28日より、アジアで初の開催となる「京都国際デザイン会議クムルス2008」を京都市内で開催する。同会議の開催に合わせ、国際学生デザインコンペティションも行われ、COCON烏丸(京都市下京区烏丸通四条下ル)1階アトリウムで3月27日から作品を展示している。
クムルスとは、1990年に設立された芸術・デザイン・メディア系の大学が加盟する世界最大規模の芸術系非営利連合組織。本部はフィンランドのヘルシンキ芸術デザイン大学で加盟校は世界40カ国124校に及ぶ。今回の総合テーマは「空[CU:]デザイン:ゼロからの再構築」。「仏教思想の『空』という概念をもとに、西洋・近代思想とは異なる視点からデザインのあり方を再構築」する試み。同会議の主要イベントとして、28日に国立京都国際会館(左京区宝ヶ池)で国際デザインフォーラムが、29日に京都精華大学(左京区岩倉)で国際デザイン学術セッションが、それぞれ行われる。
同コンペは、クムルス加盟校の学生と、開催国である日本の芸術・デザイン系の学生を対象として行われた。テーマは「しあわせのデザイン」。グラフィックからクラフト、建築、映像などあらゆる分野を対象としており、「A部門:for ECOLOGY」のテーマは「地球と共に生きる。そして…」、「B部門:for TRADITION」は「伝統を活かし伝える。そして…」、「C部門:for SAFETY」は「人や都市を守る。そして…」の3つのテーマを設定した。世界各国から300点を越す応募があり、審査委員には服部滋樹さん(graf)や恩地惇さん(ジイケイ京都)、島本浣さん(京都精華大学学長)、深澤直人さん(プロダクトデザイナー)らが名を連ねる。
選考の結果、グランプリ「しあわせのデザイン賞」は赤間康弘さん(東京都立工業高等専門学校)が受賞した。グランプリには賞金100万円が贈られる。地元京都からは、「B部門:for TRADITION」部門賞に加納琢司さん(京都精華大学)、「C部門:for SAFETY」企業賞に前田直希さん(京都精華大学)が、それぞれ選ばれた。
COCON烏丸での作品展示は、1階アトリウムと3階「shin-bi」で行われている。展示数は37点。同展担当者は「世界の学生の作品を見られるのは日本では少ない機会。学生を含め多くの人に足を運んでもらいたい」と話す。
COCONでの展示時間は11時~21時。4月3日まで。関連展示として、「関西電力はぴeライフスクエア京都」(中京区烏丸通六角下る)でミラノブルネッロ社と京都精華大学プロダクトデザイン学科の学生によるデザイン展も行われている。3月30日まで。