京都女子大学の学生が6月29日、重要文化財「杉本家住宅」(京都市下京区)のすす払いを行った。
「杉本家住宅」は築152年の京町家で、市内の町家として最大級の大きさを持つ。今年3月に大屋根の修理を完了した。
同大学は10年以上前から祇園祭前のすす払いに参加する。2022年から水だけで汚れを落とすことのできる特殊繊維「びっくりフレッシュ」を使った製品を展開する「サンコー」(和歌山県海南市)も参加。昨年12月に、すす払いに参加した学生の声を取り入れた商品も発売した。
この日の掃除に参加したのは同大学「生活デザイン研究所」の出井豊二さんと10人の学生。また、サンコーの担当者が掃除道具の種類や特徴を説明し、商品製造の際に出る端材の活用アイデアも出してほしいと呼びかけた。
同大学3回生で3回目の参加となる高山留歌さん、赤田遙菜さんは、午前の学生から作業を引き継いで、仏間庭と呼ばれる庭を担当。700個ほどある手のひらサイズの「滑り石」を洗い、並べ直した。
杉本節子さんは「以前はたわしでこすって石を洗っていたが、手袋型だと包むようにして洗える。磨きむらが減って、時短になって重宝している。石を並べ直すときは見学の人の視線を意識しながら並べて」とアドバイスをした。
学生の2人は「石の裏表がわかるようになった」「石の形や大きさのバランスに気をつけながら見た目がきれいになるように組み合わせを考えながら石を敷き詰めるのが難しかった」と振り返っていた。
祇園祭の宵山期間(7月14日~16日)に行われる杉本家の一般公開で産学連携で開発した商品の展示も行う予定。