女人厄よけ祈とうで知られる市比賣(いちひめ)神社(京都市下京区河原町通五条下ル)で3月3日、「ひいなまつり」が行われた。
新型コロナウイルスの影響で、今年は茶席や投扇興(とうせんきょう)などの遊びの体験は中止されたほか、来場の際にマスク着用が求められた。
同祭は人が「人ひな」となる「ひと雛(ひな)勢ぞろい」が行われ、14時からお内裏さまとおひなさまの衣紋(着付け)が公開で行われた。衣紋者(えもんじゃ)が2人がかりで束帯(そくたい)や、鮮やかな萌黄(もえぎ)や紅の装束を重ねた十二単(ひとえ)を着せていった。
御髪(おぐし)も含め約18キロの装束をまとった女性は「高貴な衣装と聞いてとてもおそれおおいです」と話した。
この後、三人官女と五人ばやしが登場。おひなさまとお内裏さまはひな人形の原型といわれる天児(あまがつ)に息を吹いて災厄をはらう「天児の儀」を行い、一年の息災を願った。五人ばやしが雅楽が演奏し、桃の花の枝を持った三人官女が「官女の舞」を披露した。
同社宮司の飛騨大富さんは「今年は社会情勢をかんがみて縮小して執り行ったが、来年は例年通りのひいなまつりができることを信じている」と締めくくった。