「ルビノ京都堀川」(京都市上京区)で7月3日、京都府競技力向上対策本部がボート選手の西原佳(かな)さん(プリントパック)ら14人に「トップアスリート指定証」を授与した。
西原さんは昨年U-23日本代表に選出され、インドネシアで行われたアジア大会で4位入賞。東北大学を卒業後、競技を継続して東京五輪の日本代表を目指すか、就職するか決められないまま就職活動を行ったという。
そんな中、出合ったのが現在の職場となるプリントパックだった。西原さんは「正直に悩みを打ち明けたところ『競技をするのに不安なことを相談してほしい』と採用担当に言われたことや、社長の人柄を信頼して入社を決めた」と振り返る。
同社はボート部があるわけではなく、アスリートが所属するのも初めてのことだったが、西原さんの挑戦を支えようと本人と相談しながら勤務時間の短縮や資金面で支援体制を整えた。
現在西原さんは、滋賀県の瀬田川でボートに乗って行う「朝練」と、エルゴといわれる機器を使ったトレーニングを中心とした「午後練」を週に11回行っている。現在、大学時代のコーチである松澤岳さんと、元日本代表選手の杉藤洋志さんが指導に当たる。
西原さんは「技術力でカバーしていたフィジカル、特に心肺能力を高めるのがこれからの課題」と話し、この夏はハードなメニューをこなしていくという。「会社にはありがたいことに全面的に支援してもらっている。11月から始まる東京五輪の日本代表選考に向けていい結果を残したい」と意気込む。
西原さんは7月6日・7日に行われる全日本社会人選手権や、この秋茨城県で行われる国体に出場することが決まっている。