香老舗 松栄堂の「薫習館(くんじゅうかん)」(京都市中京区烏丸通二条上ル)で8月3日、親子向けのお線香作りワークショップが行われた。
最初に各地から輸入した香木を原料に線香を作ることを学んだ子どもたちは、線香を作る「香房」を見学。「練り」を行う「混練機(こんれんき)」や、押し出し機から出てきた線香を盆板で受けて竹のへらで切り取る「盆切り」職人の手さばきを間近で見つめた。この状態の線香を触った子どもからは「粘土みたい」という感想が上がった。
次の工程の「生付け」と呼ばれる作業では、手本板にお線香を移し竹のへらを使って長さをそろえる様子を見学。ほかにも線香を乾燥させる部屋や、乾燥を終えた線香から曲がったものなどを見つけて取り除き、本数を数えて束ねる「板上げ」と呼ばれる作業も見学した。
最後に子どもたちは線香づくりに挑戦。白檀(びゃくだん)や丁字(ちょうじ)、安息香、かっ香、竜脳、沈香(じんこう)の6種類の「甘い香り」「スパイシーな香り」といった特徴を確認し、好きな配合を作成。水を加えて混ぜ合わせ、「まとまらない」と苦戦しながらも手でこねていき、最後に手回しのハンドルで押し出して形成し完成させた。
白檀や安息香などを使って甘い香りの線香を作った杉山心菜(ここな)さん(11)は「お線香を作るのにこれだけ時間がかかっているのは初めて知った。1週間の乾燥後の香りが楽しみ」と笑顔で話す。