発掘調査が行われた「平安京四坊三町跡」(京都市中京区東洞院元竹田町)で6月16日、現地説明会が行われた。主催は「四門」(東京都千代田区)。
発掘調査は朝廷や幕府に仕えた医師の一族「竹田法印」の屋敷があったことからその名の付いた「元竹田(もとたけだ)町」で行われた。商業施設建設に伴うもので、初となる。今年2月から約456平方メートルを3つに分割して行われた。周辺には烏丸綾小路遺跡や烏丸御池遺跡などが知られている。
この日は、戦国~近世のものと見られる建物の礎石や、近世の厠(かわや)跡、土壁用の「聚楽土(じゅらくつち)」を掘った「土取穴(どとりあな)」が紹介された。既に埋め戻されているものの、北側の遺構からは東洞院の東側の側溝跡が出てきたという。
遺物としては松平下総守(しもうさのかみ)屋敷のものと見られる瓦、巨大な甕(かめ)の一部、包丁、砥石(といし)、アワビやサザエなどの貝殻、使い込んだ硯(すずり)、すすのついた石鍋などが出土した。
同社文化財事業部主任調査員の辻広志さんは「今後は遺構や遺物の調査を行い、半年後をめどに報告書をまとめる予定」と話す。