京都・先斗町歌舞練場(京都市中京区)で11月12日、「はじめまして歌舞伎」で歌舞伎役者の中村芝翫さんが別会場の橋之助さん、福之助さん、歌之助さんのライブ映像と共演する「虚実共演伝送舞踊」を披露した。
松竹とNTTが進める新たな歌舞伎鑑賞の共同実験の一環として行われた同イベント。舞台には半透明のスクリーンが立てられ、宮川町歌舞練場にいる橋之助さんらのライブ映像と連獅子を素踊りで披露。ネイキッド(東京都)が獅子やボタンの花が咲いたり散ったりする映像の演出を行った。
「踊りにくさは無かった」と話す芝翫さんは「連獅子は本来2人でやるが、4人というのはなかなか難しい。今回は2カ所の離れた場所で行うということで、これほどうまくいくとは思っていなかった」と話した。12月に始まる顔見世興業については、「東西の素晴らしい歌舞伎俳優が勢ぞろいする。今年は南座が工事中でロームシアターでの上演となるが、イヤホンガイドなどもあるので初めての方でもお越しいただければ」と呼び掛けた。
待合ではNTTのデジタル技術で、自分の顔に歌舞伎の隈取をされたかのような映像が楽しめる「変身歌舞伎」や、隈取りが変化する「デカオ」などの体験型の展示も用意。門川大作京都市長も「変身」を楽しんだ。
今回使われたNTTの技術「Kirari!」は今後、音楽、スポーツ中継、2020年の東京五輪に向けて活用していくという。