京都のベーカリー志津屋(京都市右京区)が9月14日、一部商品の価格を10月に改定すると発表した。
人件費や食材原価の上昇の影響で「鳥貴族」や「すかいらーく」といった外食チェーンや、「日清オイリオ」がオリーブオイルや食用油を10月からの値上げを発表するなど飲食店や食品業界で今年は「値上げの秋」となっている。
同店で価格が改定するのは菓子パンや食パン類で40アイテム、定番の「カルネ」などのサンドイッチ類14アイテム。いずれも10~20円の値上げで、カルネは10円値上げの190円となる。
主な原因は小麦粉が4月に続き10月にも値上がりすることや、円高のため油脂関係の高騰による原材料費の価格の上昇。10月の最低賃金の改定に合わせてパート・アルバイトを含めた全従業員の賃金の底上げに当たり、固定費の増大が見込まれることも理由の一つだという。そのほか、「働き方改革」の取り組みを進める同社では、残業を減らすために人手が必要しているが、最近の人手不足で時給を上げなければ人が集まらないことも背景にあるという。
同社は「お客さまとは味でつながっているため、材料のダウングレードやサイズダウンといったことは一切しない」方針で、社内調整で吸収できないコストアップに対応するため、価格改定に踏み切った。
同社企画室の上野浩さんは「食品業界でこの秋は価格改定を発表しているが、当社も今回一部の商品の価格改定を決めた。心苦しいが背景をご理解いただければ。商品内容をリニューアルすることでグレードを上げていきたい」と話す。