京都・壬生にある「第一スタジオ」(京都市下京区坊門町、TEL 075-841-9075)が8月3日、アルバムをデジタル化するサービスを始めた。
アルバムで写真を保管すると、場所を取ったり紙が劣化したりするが、アルバムのデジタル化をして、クラウドサービスを利用することで火災や災害などでの紛失や破損を防げるといったメリットのある同サービス。アルバムはスキャンでデジタル化するのが主流だという。
同スタジオでのデジタル化は撮影で行う。撮影は35年のキャリアを持つ堀出恒夫さんが担当。堀出さんは、第61回伊勢神宮の式年遷宮の撮影を行ったほか、歌舞伎俳優の片岡秀太郎さんの専属カメラマンを務める。親鸞聖人筆の書物「西方指南抄」といった国宝の撮影も数多く経験している。毎年「京おどり」など花街の行事の撮影も行っているという。
堀出さんによると、文化財の保護の観点からスキャンを使わず、撮影を依頼する博物館も多いという。アルバムのデジタル化も、国宝の撮影時と全く同じ手法で行う。ひずみの無い写真にするため水準器でアルバムとカメラの平行を確認し、大型の三脚で3メートル近い高さから撮影するのもその手法の一つ。アルバム表面が光らないようライティングを調節するのも技術が必要だという。
申し込み後、スタジオから届く段ボール箱にアルバムを入れてスタジオに送付すると、約1週間でDVDとアルバムが返送される。データはjpegで、1枚ずつ切り出して印刷しても十分な解像度を持つ。価格は見開き1ページが250円。一般的なアルバムは20ページあるため1冊5,000円が目安だという(送料別)。原則としてアルバム3冊から受け付ける。
「1枚の写真には口で言葉を尽くして伝えるよりも、一目で多くのことを伝えられる力がある。家族にとってアルバムは国宝にも負けない大事な宝物。大切に撮影するので、何かのきっかけで見返してほしい」と堀出さん。
申し込みは同スタジオのフォームから受け付ける。