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京都・清水寺参道にスタバ新店 100年超の貸席を改装、畳敷きの部屋も

畳のスペースのある2階

畳のスペースのある2階

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 6月30日にオープンする「スターバックス コーヒー 京都二寧坂ヤサカ茶屋店」(京都市東山区高台寺南門通下河原東入枡屋町)の内覧会が6月27日、行われた。

床の間を設けた座敷

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 建物は築100年を超える大正数寄屋風建築。貸席(貸座敷)などに利用された建物で、建物と大塀(だいへい)が重要伝統的建造物群保存地区の「伝統的建造物」の指定を受けている。所有は弥栄(やさか)自動車。店舗面積は約269平方メートル、席数は51席。

 京町家を専門に扱う一級建築士の冨家裕久さんとチームを組んで改装が行われた。コンセプトは歴史と現在、和と洋といったものを「つなぐ」。入り口には紺色ののれんを掲げ、脇には、ふさがれていた前庭を再生。白砂利に、瓦で模様を描く手法で、スターバックスのロゴマークのセイレーン(人魚)のウロコを描き、つくばいを配した。

 奥に長い構造を生かして通り庭をイメージした通路には、東山花灯籠を見立てた光を導線として使う。立った視線で楽しめる奥庭があるバーカウンターにたどり着く。2階は畳敷きの座敷や小上がりを3カ所に設ける。靴を脱いで利用する席は同社で初めての試みという。それぞれ床の間を設け、座布団は京都の丹後の生地を使う。二寧坂が見える丸窓のあるソファ席も用意する。

 二寧坂は「古都に燃える会」が中心となり、景観維持や混雑解消、ゴミ問題を解決するための自主的なルールを定める取り組みを30年以上続けている。同店でも店内に待合を設けて店前に行列を作らないほか、時間帯によっては立ち入りの制限も設けるなど、地域に配慮した運営を行う。

 同社店舗開発部マネジャーの高谷俊輔さんは「『京都にしかないスターバックス』となる伝統的な建築物を探し続け、10年掛けて出店することができた。地域と建物を守り、地域の一員となって成長していく店になりたい」と話す。

 同会会長の島田耕園さんは「地元の人と観光客の方が入り交じって、京都の日常の息遣いを感じてもらえる場所となり、これからのスタンダードサンプルになってほしい」と期待を寄せる。

 営業時間は8時~20時。(オープン日は13時から)。

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