町家の保存、空き町家の有効利用を支援する市民団体「町家倶楽部ネットワーク」(京都市北区)は9月27日より、土蔵を利用した図書室「KuRaver。(クレバー)」(上京区一条通浄福寺西入)をオープンした。
以前は倉庫として利用していた土蔵は2階建てで、図書室は2階部分となる。築100~200年にもなるという土蔵の伝統的価値が損なわないようにと、トイレやキッチンなど大幅な改造が必要となる飲食店ではなく、最低限の改造で済むように、図書室としての活用に至ったという。そのため、本棚・照明・エアコンの設置のみとなり、エアコンは壁に穴を空けず窓からホースを出すなど、土蔵を傷つけない工夫が施された。図書室の開閉は隣にある「カフェスーア」が行っており、トイレも同店で借りることができる。
本は約2,000冊をそろえ、伝記から推理小説、雑誌などさまざまなジャンルの本が並ぶ。すべて寄付によるもので、ネットを通じて知り合いやブログから募集した。中には、東京や横浜など遠方からの寄付もあったという。本は現在も募集中で、「特に京都雑誌や京都のガイドブックなど、京都に関する本を寄贈してほしい」(佐野さん)と話す。本の貸し出しや持ち出しは行ってないが、カフェスーアのみ本の持ち込みが可能となる。
同団体代表の佐野さんは「近くに幼稚園があるので、お母さんたちの待ち合わせ場所や子どもと一緒に本を読んで過ごすのもいいし、カフェスーアに本を持ち込んで読むのもいい。とても静かなので、ゆっくりできるのでは」と話している。
開放時間は12時~18時(開閉時間は多少前後する)。火曜休館。無料。