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梅雨明けの空に一本松 祇園祭「鈴鹿山」の山建て

山建ての作業中の様子

山建ての作業中の様子

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 祇園祭の後祭(あとまつり)の山「鈴鹿山」で7月20日、「山建て」が行われた。

くさびを打ち込む

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 鈴鹿山は山鉾(やまほこ)の中で一番北側に位置する山で、鈴鹿山の悪鬼を退治した鈴鹿権現(瀬織津姫尊)を金の烏帽子(えぼし)をかぶり手に大なぎなたを持つ女人の姿で表す。真松には、鳥居・松・木立と宝珠を描いた絵馬が掛けられていることでも知られる。

 同日は朝早くから、町屋大工の棟梁(とうりょう)、森田佳宏さんらが到着。梅雨明けの厳しい日差しの下、部材を会所から運び出し、部材を木のくさびを使い土台を組み上げ、伝統的な技法の「縄がらみ」を使って接合部を覆っていった。

 森田さんは「15の時からおやじに付いて鈴鹿山の山建てをしてから今年で60年目。市電が通らなくなったり、巡行のルートが変わったりしたが、鈴鹿山そのものはほとんど変わりない。年に一度の行事やね」と目を細める。

 京都美術工芸大学のプロジェクト演習として鈴鹿山の山建ての記録に参加した、工芸学部の中村寧子(やすこ)さんと佐々木原由佳さんは「祇園祭というと、静かな祭りの印象が強いが、職人さんが作業する様子を見ると(他の祭りと)情熱が変わらないことに気が付いた。山建ても含めて祭りにしている理由はここにあるのかも」と話していた。

 鈴鹿山では21日の午後から会所飾りが一般に公開され、ちまきなどの授与品の販売も始まる。

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