京都府立図書館(京都市左京区岡崎成勝寺町)で4月14日、同館と図書館サービスを提供する「カーリル」(岐阜県中津市)社との協定が結ばれ、丸川修館長と同館の吉本龍司社長やシステム担当者らが懇談を行った。
同館は3月に公立図書館として初めて同社の横断検索を含むシステムを採用した。同社のシステム最大の特長は、検索結果を表示するスピード。従来であれば「京都」といったあいまいな言葉で検索すると1分以上かかる上、件数が多すぎて結果が表示できないこともあったという。
同システムでは、キャッシュ(以前表示して保存したデータ)を使うことで、府内の図書館や資料館などの横断検索であっても最初の表示を0.5秒以内に処理する大幅なスピードアップを実現。検索中にキーワードを追加することも可能となった。これにより、他館と蔵書構成を比較するといったデータ分析も、現実になり得るという。
今回の提携により両者で新たなサービス開発を行い、その結果を公開することとなった。「検索結果の順番といった分野についてはこれから挑戦するところが多い。図書館との連携は当社にとっても大きなステップになった」と吉本社長。
「他館からの問い合わせやツイッターなどでも大きな反響をいただいている。図書館から情報を発信する時代になる中で、京都から次の展開を切り開いていきたい」と丸川館長も期待を込める。