DIY可能な賃貸物件を専門で紹介する「DIYP」の京都版「DIYP KYOTO」が立ち上がって4カ月が経過した。運営は、京都と大阪で不動産業を営む岸本千佳さん。
床の張り替えや壁紙の貼り替えなど自分好みの部屋が作れる、家賃が抑えられることなどのメリットがある物件を紹介する同サイト。大規模な改装については建築士や施工業者の紹介依頼も可能。DIYの規模や原状回復の程度については、あらかじめ入居者とオーナーの間で書面を交わすことになっている。
掲載無料で、仲介成約時に手数料と広告料が発生する。オーナーにとっては、物件の価値が上がり、安定的な収入が見込めるのもメリットの一つ。最近では、DIY好きのオーナーが代金の一部を負担するケースもある。賃貸物件でのDIYは、少しずつではあるが認知されてきているという。
DIYPは2011年11月に村井隆之さんが東京版を立ち上げ、神奈川、千葉にも広がった。岸本さんはもともと東京版に参画しており、地元の京都に戻って立ち上げた。「大学のころから、完成した時がピークとなる『作品』のような建物には興味が薄かった。住人が手をかけていくことで少しずつ心地良い空間が出来上がる、それがDIYの醍醐味(だいごみ)」と岸本さん。
「京都の通りを歩くと、DIYにぴったりの物件があちこちにある。『引き継ぐ』ことに長(た)けた土地柄や、芸大生も多い。ポテンシャルが高く、これはうまくいくと思った」と振り返る。
しかし、京都で流通しているDIY向きの物件は非常に少なかったため、物件のオーナーに積極的に連絡もする。「京都は、個性的な物件もDIY可能な物件を探す人もいるのに、かみ合わない部分もある。ページを通じて両者をつなぐ役割を果たしていきたい。特にオーナーさんには気軽に相談してもらえたら」とも。