四条烏丸の産業会館「コムスホール」(京都市下京区)で10月29日から「TAG文具まつり」が始まった。主催は、タケダ事務機(下京区)
昨年1日で約1700人が来場した同イベント。今年は会場の規模を拡大し、2日間開催となった。初日のこの日は、文具メーカー33社のブースが並び、全品2割り引きで購入できるとあって、開場前から列ができた。30日には「文具王」高畑正幸さんのトークも予定している。
「テプラ」などで知られるキングジムのブースには、「着る布団&エアーマット」(定価4,860円、イベント価格=3,888円)も販売。同商品は、大規模災害発生時の帰宅困難者用に開発された着たままでも身動きがとれる人型の寝袋と、床の固さや冷たさが伝わりにくいエアーマット、エアーポンプのセット。オフィスで備蓄することを想定し、A4ファイル大のパッケージに入っている。同社公式ツイッターが「\キングジム、ついにオフトゥンを開発/」と発表し、ネット上では「社畜用オフトゥン(=お布団)?(「社畜」は会社に飼い慣らされた家畜のような社員の意)」「これで24時間働ける」とネットユーザーを困惑させて話題を集めた。
8月の発売直後から公民館や官公庁などを中心に注文が相次ぎ、品薄状態に。ブースにはイベントのために確保した3個を陳列する。「例えば東北の方から車が雪で埋まったとき、一夜を明かすために準備したいという引き合いなど、個人からの問い合わせもある。生産が追いつかず12月から予約分が対応できる見通しなので、今、手に入れられるのは貴重な機会」と同社大阪支店営業部の堀泰治さん。
会社の歴史が江戸時代にまでさかのぼる「松煤園」(京都市下京区)は、定番の筆や墨のほか、年賀状の季節に合わせたはがきサイズのカラフルな和紙や、はんこ用の消しゴムなどの商品を展開。毛筆を傷めない金の書道液を使った年賀状のサンプルも。「こうしたイベントをきっかけに手書きの良さが伝わる和の文具にも興味を持ってもらえたら」と同社専務取締役の高野智之さん。
「今年も多くの方に来場していただきうれしく思っている。毎シーズン各社が、少しでも他社と違った商品を出そうと工夫を凝らしている。文具の奥深さを楽しんでいただけたら」とタケダ事務機の玉木淳也さん。
10時~17時30分まで。入場無料。