同志社女子大学(京都市上京区)で生活科学部を対象に10月8日、宝酒造(伏見区)がみりんと料理酒を通じて食と健康を考える特別講座を行った。
昨年の12月4日に和食がユネスコ無形文化遺産に登録され、健康食として世界的に注目されたことを契機に開講された同講義。同学部の在校生、卒業生を含めた約50人が参加した。「調味料も味付け以外の要素が求められている。その中でも酒類調味料が欠かせない理由を知ってほしい」と同社の商品開発部の稲泉賀奈子さん。
講義ではみりんの持つ「味の染み込みを良くする」「上品な甘みを付ける」など7種類の調理効果を学んだ。他にも調味料の入った容器が2つ用意されており、どちらが本みりんで、どちらが「みりん風調味料」なのかを味と香りで判別した。学生からは「味が違う」「匂いが違う」と声が上がった。他にも両者を使った高野豆腐の食べ比べを行ったが、全員がみりんを使った物を見極められるほどに、味の染み込みや甘みの質が違っていた。
料理酒の紹介では料理清酒の手間暇かけた製造方法や、消臭、静菌などの効果を学び、実際に清酒と料理酒の味を比べた。また、同じ料理酒でも清酒は酒類に分類されているが、料理酒は加塩することで食品に区別されているため、料理レシピに記載されている「酒」に料理酒を使うと余分な食塩を取ることになることを説明した。同大学特任教授の岩谷幸春さんは「今回の講義でみりんと料理酒を通して、正しい食と健康の知識を身につけ、学生たちの食生活の改善に役立てていただければ」と話した。