京都芸術センター(京都市中京区)で11月23日、チェコの「ペトロフ」社ピアノの市民コンサートが行われた。主催は「明倫自治連合会」と「ペトロフの会」。
ペトロフピアノは、大正7(1918)年に明倫小学校(現・京都芸術センター)50周年で寄贈された。「音楽の先生が感激してペトロフピアノの下で寝た」などの逸話も残されている。現在同年代のピアノは日本に3台程度しか確認されていないという。
ペトロフピアノは同校で長年にわたり使われたことで、脚が折れるなど老朽化が進んでいた。学区の住民の有志「ペトロフの会」により修復費用を捻出するためにチャリティーコンサートを開催。2008年に修復を終える。現在では年に2回程度のペースで同会が主催となってコンサートを行っている。
「以前から奏者公募の話は出ていた」と同会の小島富佐江さん。今回予定していたピアニストの日程が合わなかったことも手伝って、演奏希望者を募ることになった。
参加したのはプロやアマチュア含めて9組。学区に住んでいる鬼城妙音さん(7歳)は、学区の文化祭でもペトロフを演奏したことがあり今回が3回目。「少しだけ緊張した。ペトロフは、音がソフトなのが好き」と、演奏を終えホッとした表情で話していた。
最後に登場した作曲家の片岡量臣さんは、東日本大震災復興支援曲「ふる里、再び」を披露。バリトンの中西康雄さんと被災地への思いを乗せてピアノを演奏した。
同会は、今後もペトロフコンサートを企画していく予定だという。