新京極商店街に隣接する西光寺と安養寺(京都市中京区)で9月7日・8日、「OTERA Night(お寺ナイト)」が行われる。主催は同商店街。
1972(明治5)年、京都府参事の槇村正直の発案によって造られた新京極商店街。東京遷都により落ち込んでいた市民の士気を上げるべく、寺院の境内を整理して寺町通の東側に造られた。寺町通は平安時代には「東京極大路」と呼ばれ京都の東の端であったことから、新たな京都の端を意味する「新京極」と名付けられた。現在も新京極には8つの寺社仏閣に隣接しており、寺町通と新京極通をつなぐ細い道は、もともと参道の役割を果たしていたという。
同企画は6年前に考えられたもので、当時の商店街組合の理事長が地域の財産である寺との関係を保ちつつ喧噪(けんそう)から離れ、気の休まる場所として人を呼べないかと考えて企画した。2つの寺院に協力を得て、多忙な昼の時間帯を避け夕方から明かりを控えてイベントを行うようにしているという。
参加者は紺色の4分の1サイズの色紙に金色の文字で般若心経の一文字を書く。文字はスタッフの示したいくつかの中から選ぶ。裏側には墨で願い事を書くことができる。「海外の方が慣れない筆を手に正座をされて漢字を書いている姿を見ると、こちらまで感じるものがある」と同企画担当の岡本喜雅さん。完成した般若心経は心願成就の祈願法要の後に納経される。
岡本さんは「老いも若きも、海外の方も仏様のご縁で集まった方の一文字によって完成した般若心経は、どんな文字も心が込められているのが伝わる。さまざまな人が集まる新京極だからこそできる企画だと思う」と自信を見せる。
開催時間は18時~20時30分。参加無料。