和雑貨などを手掛ける「くろちく」(京都市下京区)が運営する京町家料理店「百足屋本店」(中京区新町通錦小路上ル百足屋町、TEL 075-256-7309)が10月から、本格的に「おばんざいランチ」(960円)の提供を始めた。
昼の時間帯は3,150円と5,250円の2種類のコースを用意する同店。しかし、観光客の少ない期間にも利用してほしいと、近隣で働く人が通える1,000円以下のメニュー開発に取り組んだ。「夜のコースと同じ材料を使うなどの工夫でコストを抑えながらも、質の高いメニューになった」と同社企画開発部の三枝祐太さん。
メニューは、京都の総菜「おばんざい」と、それを懐石風にアレンジした9品と週替わりの1品、ご飯、赤だしが付く。「おばんざいは、10月は旬の根菜のせんぎり(切り干し大根)といったように京都に古くから伝わる習わしを守っている」と料理長の平居孝幸さん。おばんざいと懐石メニューの両方を入れた構成は、呉服店の旦那衆が急な来客に、おばんざいを出しておいて、すしや懐石を頼み、もてなしたことを再現したものだという。
「このメニューを提供してから、これまでより若い方の利用も増えた」と三枝さん。「京都の歴史ある建物でランチを入り口に京都の食の知恵やそのおいしさを知ってもらい、懐石にも興味を持ってもらえたら」とも。
おばんざいランチの提供は平日11時~14時。水曜定休。