着物や雑貨を扱う「總屋(そうや)」(京都市中京区三条通烏丸西入御倉町)で7月14日、線香花火を楽しむイベントが行われた。
450年以上の歴史を持つ京友禅の「千總」の着物の新たな提案を行う同店。「着物は自分で着られない、手入れが難しいということから、敷居の高さを感じるもの。しかし、京都は街を歩いていると結構着物の人を見かける。まず浴衣から着てもらって着物の良さを知ってもらえたら」と同店スタッフの金﨑絵美さん。
イベントは昨年、「着物で花火を楽しむ風景を残そう」と始めた。イベントで使う線香花火は、八女でお茶の作業のないときに手作りで作られた国産の線香花火を使う。「パチパチとはじけるような『ぼたん』『松葉』から『柳』『ちり菊』と花火の形が変化していくのがよく分かる」という。
「線香花火花のように咲いてはかなく散ってゆく風情は着物にも似たところがある」と金﨑さん。「海外から来た方にはそうした良さがうまく伝わらず、昨年は3本一緒に火をつけていた方もいらっしゃった」と苦笑い。
今年も、浴衣や着物を着た親子連れやカップルが多く訪れた。中には持ち手近くまで花火が続いた人も。参加者はいつもと違う線香花火で夏の思い出を作っていた。