京町家を生かした「ぎゃらりー ほりかわ」(京都市中京区堀川通御池下ル東側)で10月20日、「甲斐きくみ人形展 夢うつつ…」が始まった。
京鹿の子絞りとアンティークのリボンやレースを合わせた少女人形のほか、源氏物語をモチーフにした最新作、風神・雷神など想像を働かせて作られた人形を展示している。
和をモチーフとしたものでは珍しく「球体関節人形」も展示。関節部が球体で形成されているため、着物の着せかえやポーズをつけることができる。「首の角度を少し変えるだけで人形の表情にも変化が出る」と甲斐さん。1メートル近くある人形は、制作に半年から1年ほどかかるという。
11月1日の「源氏物語の日」にちなみ源氏物語から「夕顔」の巻を選び、「光源氏」「夕顔」「六条御息所」を制作した。源氏の前に横たわる夕顔は何者かに取りつかれ、夢うつつの状態。源氏の女たちに嫉妬(しっと)する六条御息所の表情も見どころ。「時代が進んでも変わらない男女の関係を表現できれば」と甲斐さん。ほかにも宇治十帖がモチーフの作品も展示している。
これまでも京都の物語や伝説をテーマに人形作品を制作してきた甲斐さん。「今後も京都にちなんだ作品を京鹿の子絞りなど伝統の素材で作っていきたい。素材の組み合わせなどを工夫して新たな表現の可能性を探っていきたい」と意気込みをみせる
開催時間は10時~18時(25日は17時まで)。入場無料。今月25日まで。