近畿日本鉄道は3月1日、2006年から2009年の同社グループの経営計画の中で、京都駅のターミナル整備計画を発表した。JR東海新幹線高架橋の耐震補強工事に伴う同計画では、鉄道・ホテル事業などグループのコア事業の基盤を強化。1階改札口の駅施設を2階部分に統合して利便性を高めるほか、新線の増設、「近鉄名店街」のリニューアル、ホテル建設などがその内容。
計画では、既存の3番線線路北側に新たに4番線を設置し、その上空にホテルを新設する。ホテルは地上8階、述べ床面積=13,000平方メートルで、客室数は約370室。オープンは2012年3月を予定する。同社は、京都駅にホテル建設をする理由について「京都の根強い人気を背景に宿泊需要が高水準で推移している点、京都駅が奈良など他観光地の玄関口であること」などを挙げている。
近隣には「新・都ホテル」と「ウェスティン都ホテル」がそれぞれビルを構えるが、新設するホテルは同グループ初の「宿泊特化型」ホテルとし、価格を10,000円以下に抑えるのが特徴。同グループ関係者は「観光客数が過去最高を更新し続けている京都の宿泊需要を取り込みたい。近接する両ホテルとの棲み分けをはかり、駅の真上のいう立地を生かしたい」と話している。
改装工事を行う「近鉄名店街」は1964年の開業以来、大幅リニューアルは今回が初めて。店舗面積は従来より300平方メートル広い3,100平方メートルに増床するほか、「『落ち着いたひととき』を過ごしてもらえるよう、共用空間を見直し、1店舗あたりの面積を広げる予定」(同社)。現在は52店舗が入居しているが、リニューアル後も大幅に増加する予定はないという。改装後の名店街では、観光客と地元市民の両方をターゲットに据える。着工は2007年12月、完成は2008年10月を予定。