日本漢字能力検定協会(京都市下京区烏丸通松原下ル)は11月2日から、「今年の漢字」の募集を開始した。
「今年の漢字」は、1995年から毎年実施されており、「漢字の持つ奥深い意義を再認識していただきたい」(同協会広報担当の岩橋さん)と世相を表す漢字一字を毎年公募している。最も応募数の多かった漢字が「今年の漢字」として12月に清水寺で発表される。
今年1月、大久保昇前理事長と大久保浩前副理事長親子による協会の私物化が問題となり、その後背任事件に発展。「今年の漢字」も一時開催が危ぶまれたが、「『今年の漢字』は日本の文化を伝える良い活動」と継続を願う外部からの声も上がっていたという。
「今年の漢字」の発表の場となる清水寺サイドも、「新生漢検100日プロジェクト」による役員の刷新や組織改革の成果と文部科学省への報告などを受け、「日本文化への貢献度も高く、協会も新しく生まれ変わった」として、例年通り清水寺で「今年の漢字」を発表することになった。
岩橋さんは「今年も実施させていただけるということに心から感謝したい。協会としては皆さまに『今年の世相を表す漢字はどんなものかな』と考えていただくことが、漢字をはじめ日本文化に関心を持ち、その素晴らしさを感じていただくきっかけになると思う。この事業を通して、協会の使命でもある日本文化の発展に貢献してきた漢字文化を継承し、普及していくという活動に努めていきたい」と開催に向けての思いを明かす。
「大人はもちろん子どもたちにとって、漢字が『学校で教えられたから書かなくてはいけないもの』ではなく、自分の頭の中にある考えやイメージ、思いを表現できるものだと感じてもらえたら」とも。
募集は12月4日まで。個人のほか学校からの団体応募も受け付けており、インターネットやはがきで応募する。各地に応募箱も設ける予定で、京都市内では清水寺やホテル、書店などに置く(設置は12月2日まで)。応募結果は12月11日、清水寺の森清範貫主の揮毫(きごう)により発表される。