京都の情報に関する出版物やウェブサイトの企画・制作を手がける京都大学発のベンチャー「のぞみ」(京都市中京区御池通間之町東入ル)は2月4日、着物柄を活用した名刺「和札 WAFUDA」の販売を開始した。
同商品は名刺の裏面に着物の柄をデザインしたもの。友禅染や絞り染めを手がける京都の工房に協力を呼びかけ、20種類の図案で約100パターンをデジタル化した。協力企業は「アトリエひとしほ」「近江染工」「染の三喜」「辻が花染め工房 絵絞庵」「富宏染工」。
京都観光本などの企画制作に携わってきた同社は、「年間約5,000万人もの観光客が訪れる京都だが、伝統産業など地場産業にその波及効果が生まれていない」という現状を踏まえ、「伝統の技術を生かした新しい商品を生み出したい」という思いから今回の商品開発に至ったという。工房には、商品の売り上げの一部が還元される。
販売ターゲットは京都のメーカーや輸出入にかかわる貿易会社など。飲食業やサービス業などのショップカードの利用などにも期待を寄せる。プライベートのセカンド名刺に利用したいという声や、大学生からは「デザインがきれいで作ってみたい」という声もあるという。
現在のデザインパターンは、「たたみ扇子/アトリエひとしほ」「流水取吉祥紋様/富宏染工」「KARAKUSA/染の三喜」「辻が花/絵絞り庵」「牡丹唐草/近江染工」など114パターン。今後は、2か月ごとに約5種類・40パターンを展開していく予定。
同社の森愛歩さんは、「サイトでは着物の柄の説明や、着物を手掛ける工房の紹介も。今まで着物と無縁だった方も、ぜひ着物や和柄に関心を持っていただきたい。和札を通して、人から人へと新たな『和』『輪』を広げていければ」と意気込みをみせる。
価格は両面印刷(100枚)で片面モノクロ/カラー=2,625円、カラー/カラー=3,150円。ウェブサイトで販売する。