Impact Hub Kyoto(上京区油小路中立売西入ル甲斐守町)で7月14日、コンテンツ企業の新規事業創出や他業界とのクロスメディアを支援するKCROPのクロストークイベントが行われた。
始めにKCROPの三輪由美子さんが「映画と地域」についての事例を紹介。「地元ロケやエキストラの参加などで地域と強いつながりができても、それを知らない会社が配給や宣伝が担当すると、せっかくの縁も分断されてしまうこともある」と指摘。「映画と地域がうまくいくには「地域プロデューサー」の存在が大事」とし茨城県の「桜田門外ノ変」などの事例も紹介した。
次に、ゲストの映像制作会社「海空」(京都市下京区)社長の大継康高さんが登場。大継さんが発起人となって進める「海の映画館をつくろうプロジェクトin淡路島」は今年9月17日~19日に、淡路島の大浜海水浴場の海上に立てたスクリーンで映画を上映する。同会場では、淡路島を舞台にした大継さんの初監督映画「あったまら銭湯」も上映することが決まっている。
同期間には閉館した映画館「洲本オリオン」を含む3会場で、淡路島で撮影が行われた作品を上映。「夜に映画を見て、翌日はロケ地に行く観光プランもできるのでは。せっかく淡路島に来てもらうので、淡路島のおいしい食材を食べてもらえるようブースを設ける予定」と大継さん。
同プロジェクトは淡路島観光協会や青年会議所などから協力を得たほか、兵庫県、島内の3市が後援に入る。海の上にスクリーンを立てるという難度の高い課題を地元の人から出たアイデアで解決するなど、地元のチームに助けられたという。大継さんは「18歳まで淡路島で育ったが、それまでに出会った100倍もの人に関わってもらった。商店街を歩くと『大継君!』と握手を求められる」と話す。
「島では映画祭についてはかなり認知されている。今は島の外にどれだけ周知できるか、そして資金面ではクラウドファンディングをしているが、これも多くの人に協力を呼び掛けたい」と現状の課題を報告。「このスキームで他の海や地域でも展開できるのか」と会場から質問が寄せられると、「淡路島だけでなく全国で使える仕組みだと思うが、地元の人が出演する映像を作って流すなど『見に行きたい』と思う仕組みが必要」とアドバイスしていた。