ロームシアター京都(京都市左京区)が1月10日にオープンし、開館記念式典・記念公演が同施設メーンホールで同日開催された。
京都・岡崎の多目的文化ホールとして1960(昭和35)年に開館した京都会館は、50年以上たち、建物の老朽化や舞台設備が時代のニーズに合わなくなり、2013年9月から再整備工事を行っていた。2015年8月に竣工式が行われ、同年11月には内覧会が開かれた。
再整備によって音響や舞台設備の大幅な向上、メーンホール(旧第一ホール)はオペラ公演が可能になるなど、総合舞台芸術に対応できるようになった。同施設パークプラザには蔦屋書店とレストラン「京都モダンテラス」、同施設プロムナードにはコンビニエンスストア「ファミリーマート」も同日オープン。劇場だけでなく、岡崎のにぎわいを創出する文化施設として再スタートした。
記念公演は、京舞井上流五世家元の井上八千代さんによる祝舞「倭文(やまとぶみ)」で始まり、観世流・金剛流共演による能楽「石橋(しゃっきょう)」が披露された。
次いで行われた記念式典で門川大作京都市長は「新年と共に市民、芸術を愛する多くの方の希望であったロームシアターをオープンすることができた。京都は文化で発展してきた街。ロームシアターは文化庁移転にも大きな力になってくれるのでは」と式辞を述べた。ネーミングライツを獲得したロームの沢村論社長は祝辞で「音楽家を支援してきたロームにとってネーミングライツは光栄なこと。ロームシアターを通じて多くの人に音楽に親しんでもらい、この施設が長く愛されることを願っている」と期待を込めた。
式典後には京都市交響楽団による記念演奏も行われ、常任指揮者兼ミュージックアドバイザーの広上淳一さんは「ロームと市と市民の皆さんが世界トップレベルの施設を作ったことは偉業。他にこんな都市は無い。京都が日本のウィーンになった」と話した。