梅小路蒸気機関車館(京都市下京区)が8月30日の閉館を前に多くの人が訪れている。
同館は、日本の鉄道開業100周年を記念して1972年(昭和47)10月開館した博物館。旧二条駅舎の内部を改装した展示室や、19両の蒸気機関車、扇状車庫、本線につながる転車台を設ける。一時閉館し、来年4月には京都鉄道博物館としてリニューアルオープンする予定だ。
8月29日には、多い日の2000人の倍以上となる5656人が来館。子どもたちに人気のSLスチーム号の運行は、1日3回を16回に増便。それでも12時にはすべての回が満席となる人気ぶりだった。転車台での動態展示も15時30分で終了だったが、閉館時間の17時30分が近づいても来館者が途切れないため、急遽、16時にも実施。ゆっくり車両を回してシャッターチャンスを作った。
京都市内から家族で訪れていた西村さん一家は、SL北びわこ号の前で記念撮影を行った。「実際に家族で乗りに行ったので思い出深い。年に何回かは出かけるので、閉館はさみしい。今ある物を生かした展示になってくれたら。新しい館になったら息子と一緒に出かけたい」と話していた。光志朗くん(4)は、記念にがちゃがちゃで手に入れた700系のストラップを見せてくれた。
同館学芸員の廣田琢也さんは「43年間のご愛顧に本当に感謝したい。しばらく改装でみなさんと会えないのはさみしいが、開館後にまた再会できるのを楽しみにしている」と笑顔を見せる。
30日の11時からは閉館セレモニーも予定されている。
開館時間は10時~17時30分(入館は17時まで)。入場料は大人(高校生以上)=410円、子ども=100円ほか。