京都市は現在「改訂京都市自転車総合計画」の見直しに伴う意見(パブリックコメント)と計画名の愛称を募集している。民間事業者によるキャンペーンも行われている。
「ノっていこう!京都・自転車キャンペーン」のつり皮型のチラシ
同計画は2010年に策定。放置自転車や駐輪場の増設などに重点を置いた。成果が大きく現れたことや道路交通法の改正などを背景に、計画を見直すこととなった。集まった意見は市長から諮問を受けた自転車等駐車対策協議会で取り上げられる。同会の答諮を経て、2月中旬ごろに計画が決定する。
市の見直し案では、走行環境・駐輪環境や利用ルールなど5つの「見える化」に取り組む。左側通行の周知徹底と、実態調査を実施。京都の都市部に多い細街路の車道左側端に走行位置を示す「自転車推奨レーン」やピクトグラムの整備、ルールやマナー講座の受講で駐輪場の料金を割引にする案なども出ている。自転車を利用しやすい環境を整え、東京オリンピックを見据えた自転車観光にもつなげたい考えだ。「すでに20~30代の若い方から100通以上のご意見を頂いた。自転車だけでなく、歩行者や自動車などそれぞれの立場から意見があると思う。計画の愛称も含めて多くの意見を寄せていただければ」と建設局自転車政策推進室の朝山勝人さん。
駐輪場事業を展開するアーキエムズ(中京区)はパブリックコメントができるフォーム付きの専用ページを作成し、「ノっていこう!京都・自転車キャンペーン」を展開。民間企業によるこうしたキャンペーンは全国的にも例が少ないという。地下鉄の車両にはキャンペーン用のつり革型のチラシを期間中約1万枚配布。抽選で電動アシスト自転車が当たるほか、チラシに記載されたシリアルナンバーを入力すると、全員に無料で3カ月間有効の自転車向け損保商品を進呈する。「近年、自転車性能の向上が重大事故につながり高額賠償の判例も出ている。自転車向けの保険について問い合わせが増えている」とキャンペーン用の保険を開発したau損保の担当者。
アーキエムズの大槻紘平さんは「当社の駐輪場では、駐輪料金に保険料を含めてはどうか、駐輪の間に点検をしてほしい、宅配の受け取りはできるか、などの要望を頂く。今後そうしたサービス提供できたらと思っている」と話し、「今回の取り組みが、多くの方に関心を持ってもらう機会になり、多くの声を行政に届けることにつながれば」と期待を寄せる。
意見募集は1月9日まで。市の見直し案は、ウェブページで確認できるほか、市営駐輪場などで配布している。