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京都で個展「ふともものくに」-女子高生の太ももから「終わりの可能性」見る

太ももののれんをくぐって「ふともものくに」に入る

太ももののれんをくぐって「ふともものくに」に入る

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 ギャラリーh2O(京都市中京区富小路通三条上ル福長町)で3月6日、中川潤さんの個展「ふともものくに」が始まった。

「ふともも」作品と中川さん

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 自宅が高校の近くにあったことから、学生のスケッチをしていた中川さん。その中で、女子高生の何にも負けない強さ、とりわけ、大きく張った太ももの持つエネルギーや「無敵感」に引かれてボールペンとアクリル絵の具を使って描くようになったという。さらに、逆さにして組み合わせることで「怪物」のような造形にするなど作品は展開していった。

 「毎年学生は入学するので、この太ももは永遠にあるものだと思っていた」と中川さん。しかし、そうではない可能性もあることに気付いたという。「例えば非常時を思い浮かべたとき、太ももが無敵でいられる状態は断絶してしまうこともある、今の状態が当たり前のことではないと思い当たった」

 それから、群れをなしていた太ももの作品の画面は、1人となり「ふわっとバランスを崩した体勢」や、上下逆さの「何か異質さの出ている」(中川さん)ものへと変化した。さらに、初期に描いていた無敵感が出ている太もも作品も、「終わりを感じさせるもの」であることに気付いたという。

 中川さんは、展示室から通路で隔てられた茶室にも作品1点を展示した。横一列に太ももが並び、上半身は太い曲線で結ばれている。「上半身がつながっている部分は無限を意味する記号を意識した。太ももが無敵のまま、エネルギーを持ったままでいてほしいという思いを込めた」という。「来ていただいた方に、僕の感じた『今の状態が当たり前ではない』という感覚を少しでも感じてもらえたら」と期待を込める。

 開催時間は12時~19時(最終日は17時まで)。月曜休廊。今月18日まで。

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