3月14日の開業を目前に控えた京都市水族館(京都市下京区観喜寺町)で8日、内覧会が行われた。
梅小路公園内の敷地に造られた同施設。延べ床面積は約1万1000平方メートルで、総水量は約3000トン。海水を取水するのではなく人工海水を使う。夜間のイルカ水槽(イルカはいない)の水温を上下させて取り出した熱と、館内で作った氷を溶かした時に得られる冷気を組み合わせて館内を適温に保つシステムを採用した。
館内は全体を大きく9つのゾーンに分ける。水深6メートルの「大水槽」は、銀色に輝くグルクンの群れや、アカエイ、アオウミガメがゆったりと泳ぐ姿が見られる。水槽には7つのビューポイントを設けた。例えば「天窓」は下から、「魚眼」は魚の視線などで観察できる。「京都の川ゾーン」では鴨川にも生息しているオオサンショウウオを展示。在来種と外来種、交雑種の展示を行い、種の保存に関する情報発信も行う。「山紫水明ゾーン」では、希少生物と呼ばれるようになったゲンゴロウやタガメ、ヤリタナゴ、ニホンヒキガエルなど約40種類を紹介する。
同館の中心に位置する「イルカスタジアム」ではイルカの体の仕組みや能力などを楽しみながら学べるパフォーマンスを実施する。高い塀を設けず、東寺の五重塔など京都の街並みを背にイルカジャンプが見られる。ほかにアザラシやペンギン、クラゲなどのブースや、ネコザメ、やヒトデ、ナマコなどに触れる「磯の教室」も。
「多くの人に生物のいのちを考えるきっかけになる施設を地域の方と作っていきたい。週末になど、気軽に足を運んでもらえたら」と運営を行うオリックス不動産の三坂伸也水族館事業部長。
14日は10時にオープン予定。開業後の開館時間は9時~17時。入館料は、大人=2,000円、高校生=1,500円、中・小学生=1,000円、幼児(3歳以上)=600円(再入場可能)。