烏丸五条にある紅茶専門のカフェ「キトゥンカンパニー」(京都市下京区五条烏丸西入る上諏訪町、TEL 075-344-1591)で11月5日から、「猫毛祭り in 京都2011」が開催される。
「猫毛フェルト」は猫の毛を使ったフェルトを使う手芸。イベント主催者である蔦谷香理さんが飼い猫をブラッシングしたときに抜けた毛を捨てるのはもったいないと、羊毛と同じ手法を使ったのがきっかけだという。作品をホームページで紹介するうちファンが増え、書籍の出版やワークショップの開催を行っている。同イベントは英語版「Crafting with Cat Hair」の出版記念でもある。
今回初めて作品展にテーマを設けた。それは「ネコでエコ」。「猫は夏になれば毛が抜け、冬になれば毛をふさふささせ皮下脂肪を蓄える。自ら心地よい場所を見つけ、少しの幸せで満足している。そんな姿は『足るを知る』という言葉を思い起こさせる。人間も学ぶ所は多いのでは」と蔦谷さん。
期間中、猫毛フェルト作品30点弱の展示やワークショップを行う。11日には「大人の裏猫毛祭り」と題し語らいの場を設ける。これは、反原発について話すと周囲から疎まれるのではと抑えていたことを話せる場になればという蔦谷さんの思いがあり、プロテストソングなどの「ビターな」余興も用意する。12日には猫毛フェルト指人形劇の公演を行う。全て新作で、その中には「3匹の子豚」ならぬ「3匹の子猫と発電所」という演目も。
「震災・原発事故で皆いろいろなことを考えたはず」。蔦谷さん自身も猫をブラッシングできる日常のありがたさを重い意味を持って感じたという。震災直後に予定していた展示会の中止も考えた。しかし、スペースのオーナーから「こういう時だからこそやってください」という言葉を掛けられ開催した。すると、「そちらには行けないけれどうれしい」というコメントが寄せられたという。「その人の持ち場に応じて、できることをすることが大事なのだと思う」と蔦谷さん。「眉根を寄せて、歯を食いしばっていることの多い今、猫毛フェルトがふっと眉を開き口元が緩む、そんなきっかけになれば」とも。
営業時間は11時~19時。要ドリンクオーダー。11月は木曜定休。11月20日まで。