京都芸術センター(京都市中京区室町通蛸薬師下ル、TEL 075-213-1000)で現在、夏休み企画展「sweet memory-おとぎ話の王子でも」が開催されている。
会場には、甘いもの・お菓子をテーマに作家4人が、それぞれの表現と方法を駆使した作品を展示している。作品は、お菓子という日常的なものが、壊れやすい感情や思いの記憶とつながっていることを示し、展覧会タイトルも童謡「アイスクリームの歌」の歌詞から採った。アイスクリームが特別なものだった時代の社会状況を表しているという。
砂糖の砂漠の中に幾本ものウエディングケーキのような塔が起立する謝琳さんは90年代から食物を扱った作品を作り続けている。割れたポテトチップを金継の技法で修復した作品を作った河地貢士さん、皿に見立てた画面の中に食べかけのケーキのような風景を出現させる瓜生祐子さん。林智子さんは涙とそれにまつわるエピソードを収集し、その時に流れた涙を和菓子の琥珀(こはく)で固めジュエリーのように仕立てた。
期間中、出品作家によるワークショップ(7日・21日)を開くほか、狂言師のナビゲートで展覧会を見た後に甘いものが出てくる狂言「附子」を見る会(19日)や、展覧会場内での音楽会(9月11日)も予定する。各イベントの詳細はホームページで確認できる。
開催時間は10時~20時。入場無料。9月11日まで