京都国際マンガミュージアム(京都市中京区烏丸通御池上ル、TEL 075-254-7414)で7月30日、企画展「百物語の館」が始まる。京都精華大学人文学部の堤・末次研究室の学生がプロデュースを手掛けた。
同学部研究室所蔵の江戸怪談の原本や地獄絵、妖怪浮世絵などの絵画資料やパトリック・L・ハーン(小泉八雲)の「KWAIDAN」原本などの展示に加え学生自らが怪談のライブ公演も行う同企画。「読んだり、見たりするだけでは感じられない恐怖が『怪談』の語りの中には含まれている」と同大学の川内さつきさん。
ライブ公演の演目は伝統的な怪談だけでなく、漫画を基にした創作怪談や現代怪談を取り入れ、より広い世代に理解してもらえるような百物語を目指した。学生らは実際に実話怪談の公演を行う「怪談社」の語りを聞いたほか、日本で最後というお化け屋敷専門の人形師、中田市男さんを訪ねた。「中田さんは職業柄、奇妙な体験をされていて、そのお話も聞かせていたき、台本のネタとして多いに活用させていただいた」と川内さん。
「古典的な怪談は特定の地域を舞台にしているが、近代の怪談はどこにでもある場所を舞台にしているものが多いという点も面白い発見だった。今回の公演の台本は、古今東西あらゆる怪談を元ネタにしているので古今の怪談の違いについても注意していただけると、また違った聞き方ができて面白いのでは」
関連イベントとして怪談映画の上映と小松和彦さんの講演や作家の京極夏彦さんの特別講義も予定している。
開館時間は10時~20時(入館は19時30分まで)。入場は無料だが、同館入館料は必要。8月7日まで。