洋菓子販売とレストランの「不二家 四条店」(京都市下京区四条通木屋町東入ル橋本町)が1月5日、閉店した。
同店は1934(昭和9)年に開店。ファミリー層を中心に幅広い世代に親しまれていた。現在の建物が築 77年で老朽化が進み、建て替えが必要になった。その後、賃貸借契約で折り合いがつかず閉店が決まった。
当日は、家族連れなどのファンが最後にと来店。「親子4世代で来店される方も。40代のお孫さんは、『不二家のパンケーキで大きくなったようなもの』とお話しされていた」と同社広報室の溝口修さん。『昭和30年代には、町衆の寄合の場所として使われていた』と教えてもらうなど、自分の会社ながらすごいと思った」と話す。
閉店を惜しみ、記念に着物姿のペコちゃんや建物の写真を撮る人も多く見られた。崎元寛樹店長は「『初めてのデートがここだった』と話す夫婦など、たくさんの方から声をいただいた。そう言ってもらえるとうれしい」と話していた。
2階のレストランは、食材が切れたため通常よりも30分ほど早く閉店。1階は22時過ぎにシャッターを閉め、76年の幕が静かに降りた。