京都商工会議所(京都市中京区烏丸通夷川上ル)で12月3日、「コンテンツビジネスセミナー」が開かれ角川グループホールディングス(東京都千代田区)の角川歴彦会長が講演を行った。開催は「Kyoto Cross Media Experience(CMEX)」の企画の一環。
日本のコンテンツの発信力や人材育成面での国際競争力の強化を目的とする同イベント。「ジャパン・コンテンツの悠久と先端」をテーマに、漫画・アニメ、ゲーム、音楽、映画などコンテンツを扱う企業の代表を講師に迎えて行うセミナーのほか、「京都太秦シネマフェスティバル」「クリエーターズサミット」などの各種イベントも行う。
角川会長は、2010年の特筆すべき点として「電子書籍元年」「ソーシャルコミュニケーションの定着」「YouTubeに『尖閣ビデオ』が流出・ニコニコ動画のマスメディア化」を挙げた。その上で「知識」が求められたマスメディアから、「情報」を用いて大衆が自ら主張・創造を行うソーシャルメディアが主流となると指摘。そうした「ソーシャル社会」においてメディアは「ストア戦略」と「コンテンツを集めること」がより重要になり、読者をコンテンツに導く「プラットフォーム」間の戦争が起こると予想する。
角川グループ10社が電子書籍の配信を行う「Book☆Walker」についても、実際にiPadを使い紹介。大沢在昌さんの小説「カルテット」を紙媒体に先駆けて配信するほか、「マンガ大賞」などを受賞した「テルマエ・ロマエ」などの漫画も配信するという。
セミナーにはメディアジャーナリストの津田大介さんも参加し、角川会長の話をツイッターで「実況中継」。それに対して寄せられた質問を代読する場面も見られた。