株式会社坂ノ途中の海外事業部「海ノ向こうコーヒー」は、国際連合世界食糧計画(国連WFP)とSAFFRON COFFEE(サフロンコーヒー)の3者で取り組む、ラオス北部におけるコーヒー生産支援を通じた生活・栄養改善プロジェクト「Cocreation of Food Security for Farmers with Economic Empowerment with Japan (COFFEE-JAPAN) プロジェクト」を予定どおり完了しました。その活動結果を報告します。

ラオスは国土の多くを山地や高原が占め、GDPの約4分の1を占める農業が主たる産業の一つとなっています。近年は経済成長を遂げているものの、アジア諸国の中で所得水準が低い最貧国の一つと位置付けられ、地域間の経済格差が大きな課題となっています。
本プロジェクトは、ラオス北部の貧困率の高い地域に暮らす小規模農家とその家族の所得向上を通じて、食料および栄養の安全保障を強化することを目的に、2023年11月にスタートしました。対象地域は、モン族やカム族など山岳少数民族の人々が多く暮らしており、森林減少など環境破壊が深刻化しています。
国連WFP が、栄養バランスのとれた食事や調理の仕方、自給的な果物や野菜の栽培方法、家畜の育て方などのサポートを担い、海ノ向こうコーヒーはサフロンコーヒーの協力のもと、対象世帯の収入向上を目的としてコーヒー栽培支援に取り組んできました。
(1)産地の育成

坂ノ途中はサフロンコーヒーと連携し、計8村のコーヒー生産者に苗木を配布しました。併せて、苗床の管理方法や苗木の植え付け方法など、栽培から収穫に至るまでの技術・知識を共有するワークショップを実施。定植した苗木は合計16万本にのぼり、目標数値である34トンのコーヒーチェリー生産を達成する見込みです。コーヒーは、収穫までに約3~4年を要するとされていますが、村の人々と関係性を築きながら、長期的な視点で産地づくりに取り組んでいます。
(2)加工体制の整備

苗木の配布や技術研修にとどまらず、持続的な生産体制を構築するため、簡易加工場を設置しました。コーヒーの発酵、乾燥プロセスに必要な、貯水タンクやパルパー(果肉除去機)などの機械を導入し、産地内で一次加工まで行える体制を整えています。これにより、生産者の収益性を高め、品質を安定化させることができ、継続的な流通につながることが期待されます。
(3)認知向上

本プロジェクトでは、産地で新たな雇用を生み出すとともに、坂ノ途中が販路を担うことで、産地と長く協働していくための基盤を築いてきました。こうした取り組みを広く知っていただくため、インパクトレポートの発行など広報活動を進めるほか、国際開発学会において本プロジェクトを事例とした論文発表も行っています。
■インパクトレポート 「Cocreation of Food Security for Farmers with Economic Empowerment with Japan (COFFEE-JAPAN) プロジェクト」
URL:https://uminomukou.com/umib/wp-content/uploads/2026/02/COFFEE-JapanPROJECT_ImpactReport_s.pdf
■国際開発学会第36回全国大会 「国際開発における民間企業参画の有効性と限界―ラオス人民民主共和国における国連と民間企業の共創プロジェクトを事例に―」
URL:https://pub.confit.atlas.jp/ja/event/jasid2025annual/presentation/1J03
本プロジェクトは2025年11月をもって完了しましたが、坂ノ途中は今後、ビジネスパートナーとして産地との関係を継続し、生産されたコーヒー豆の販売を行っていく予定です。
持続的な関係性を築くことで、生産能力の向上や現地での雇用確保を図るとともに、経済的価値にとどまらず、産地に根ざしたコーヒーづくりや環境保全に対する意識醸成にも引き続き取り組んでまいります。
https://www.youtube.com/watch?v=EVfhaD6h-ZM