老舗和菓子店「虎屋」は12月15日、自社が営業する喫茶処「虎屋菓寮」京都店の隣にギャラリー(京都市上京区一条通烏丸西入、TEL 075-431-4736)をオープンし、来年の干支(えと)にちなんだ企画展「虎屋の寅年展」を開催する。
面積約77平方メートルの同ギャラリーは、烏丸通りからのアイキャッチとなるよう外壁に白ベースに薄ピンクの釉(うわぐすり)をかけた柔らかい印象の特注タイルを使用し、角に丸みを持たせた印象的な建物。内装は、天井と壁の上部に厚さ8ミリの吉野杉材を格子状に組み、トップライトを設けて室内に光が落ちるような造りにした。同ギャラリー担当の長谷川愛美さんは「京都の大工の技が生かされていると同時に、最先端の構造技術を用いた革新的な建物になっている」と話す。
同ギャラリーオープンについて、「菓寮へ来ていただいたお客さまに、お菓子だけでなく豊かな時間を提供すること。そして、新たな文化創造の場として同ギャラリーを設置する運びとなった。永い歴史と現代の結び目として、虎屋発祥の地である京都から新たな文化を創造・発信していくことを目指している」と長谷川さん。
1回目となる企画展は、来年の干支(えと)である「寅」にちなんだ作品を中心に13点を展示する。古いものでは「雛井籠(ひなせいろう)」(1776年=安永5年」や「虎屋看板」(江戸時代)」なども含まれる。虎屋看板は江戸時代には店頭にあったが、その後東京の赤坂本社で永らく保管され、久しぶりに京都への里帰りが実現した。そのほか、富岡鉄斎、中村宗哲(9代)、永楽善五郎(16代)など京都を代表する作家の作品が見どころ。
今後は展示だけにこだわらず、講師と近い距離で交流できる講演会やワークショップなども計画しているという。
営業時間は10時~17時。入場無料。来年1月31日まで。