国際日本文化研究センター(京都市西京区)研究員の平松隆円さんが著した「化粧にみる日本文化 だれのためによそおうのか」が9月11日、水曜社(東京都新宿区)から発売された。
同書は、昨年3月に平松さんが佛教大学大学院教育学研究科に提出した博士論文「日本の生活文化における化粧」を加筆した内容。研究者だけでなく、一般の人にも分かりやすく「人はなぜ化粧をするのか」をテーマに取り上げた。「化粧の研究は世界的にみてもほとんどない。心理と行動、文化と風俗の2つの側面から日本の化粧をとらえ直す初の試み」と平松さん。
「化粧」の研究で博士号を取得した平松さんは「研究テーマを模索していたころ、世間では『ギャル男』『センターGUY』とよばれるギャルメークをした男の子たちが話題になっていた。なぜ男の子が化粧をし始めたのか、女の子でも化粧をする子としない子がいるのはなぜか」という疑問をもったという。「漠然とファッションに関する研究がしたい」と考えていたが、自分で解明してみようと思い、化粧研究に足を踏み入れた。
博士課程在学中に国際日本文化研究センターの研究員になったのがきっかけで心理学だけでなく、文化史の立場からも化粧について研究を始めたという。今後の取り組みとして、「まず文化史の立場から、なぜ今日の我々は化粧を女性だけのものと考えてしまっているのかを明らかにしたい」と意気込みをみせる。
同書は320ページで、価格は3,675円。