京都三条ラジオカフェを運営するNPO京都コミュニティ放送(中京区三条御幸町角)は、災害が発生した時に必要となる事項を外国人向けに盛り込んだCDを制作している。
CDは、近畿ろうきんの「NPOアワード」の大賞プロジェクト。助成金として50万円が進呈された。担当ディレクターの松浦さんは、AMARC(世界コミュニティラジオ放送連盟)の東アジア代表理事を務める。2004年のインドネシアのスマトラ沖地震発生後に現地に赴いた際、竹などをアンテナ代わりにして放送を行っている光景を見て、災害時はGPSなどの高度な技術よりも、単純な機材などが役立つことを実感し、今回のCD制作を思い立ったという。
制作過程で、日本人と外国人の災害に対する認識が異なることも分かった。外国では災害に便乗した暴動などが起こることが少なくなく、生命の危機に即つながることもあることや、地震が少ない国の出身者は地震をテロと勘違いし動揺するケースもあるという。このため、CDには地震の知識や精神面をケアした呼びかけも含める。
内容はおよそ60分間で、ラジオカフェのプログラムに携わる外国人や学生など約20人が共同で制作し、その後「やさしい日本語」「英語」「中国語」「韓国語」「ポルトガル語」に翻訳して録音する。CDは京都府下28全市町村に配布するほか、ラジオ放送も行う。2月下旬に完成予定。松浦さんは「外国人が『災害弱者』である認識を持ってほしい」と話している。